あらすじ
“検事はつらいよ”
世間では「正義のヒーロー」
現実は「地味な調書作成に追われ、口を割らない被疑者に泣かされる日々」
起訴した事件の有罪率は99%以上、巨悪を暴く「正義の味方」というイメージがある検事。
しかしその日常は、捜査に出向き、取調べをして、調書を作成するという、意外に地味な作業ばかりだ。
黙秘する被疑者には、強圧するより心に寄り添うほうが、自白を引き出せる。
焦りを見せない、当意即妙な尋問は訓練の賜物。
上司の采配で担当事件が決まり、出世も決まる縦型組織での生き残り術も必要だ。
冤罪を生まないために、一切のミスも許されない検事の日常を、検事歴23年の著者が赤裸々に吐露する。
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Posted by ブクログ
検察官の職にあった方の職業エッセイです。
検察官といえば「法律を冷徹に適用して社会正義を実現するエリート」といったイメージを持たれている方が大半だと思います。
もちろん法律の適用は検察の重要なミッションなのですが、社会正義の実現のために必要なことはそれだけではない、という一面を垣間見ることができ、意外性もありました。
検事の職にあった方の職業エッセイが世に出ることはほとんどなく、警察官とは異なり、普段の生活の中でも検察官と日常的に触れる機会はほとんどありません。
そのため、検察官という職業を深く知る機会はほとんどなく、その意味でも、今回は貴重な読書体験となりました。