あらすじ
二十八歳の地下アイドル、赤羽瑠璃は、男の部屋のベランダから飛び降りた。男といっても瑠璃と別に付き合っているわけではない、瑠璃のファンの一人で、彼女が熱心にストーカーしているのだ。どうしてそんなことをしたのか、話は四年前にさかのぼる・・・(『ミニカーだって一生推してろ』)。天才ファッションデザイナー・灰羽妃楽姫は、二八歳の誕生日プレゼントに、ガラスの靴を受け取った。送り主は、妃楽姫がいつか結婚すると信じている男、妻川。しかし次の瞬間彼女が聞いたのは、妃楽姫以外の女との、妻川の結婚報告だった・・・(『きみの長靴でいいです』)。他4編。斜線堂有紀の初の恋愛小説集。
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Posted by ブクログ
4年前に単行本をタイトル買いして、文庫版の書き下ろしを読みたくなって全編再読
4年前に読んだ時は良くなる兆しがない感じの結末があまり好みではないと感じていたけど、いつのまにかそんなパターンがむしろ好きになっていて驚いた。「ささやかだけど、役に立つけど」の園生の心理描写が好きだった。
Posted by ブクログ
いろいろな形の愛が垣間見える本。愛じゃないならこれは何、ってことなので全部愛の話。歪んでても、自分で理解できないような感情でも、愛なのだなぁ。やはり鮮烈なのは最初と最後に収録されている赤羽瑠璃の話。通称ばねるり。ファンのことが好きになってしまう「推し」なんて夢物語のようだけど、実際ばねるりまでいくとしんどそうだ。めるすけがいいやつすぎたね。自分の立場を弁えて、推しを一途に応援しているめるすけのことなら、確かに好きになってしまうかもしれない。最初の話のタイトルにばねるりの切実な思いが宿っているようで、切ない。
Posted by ブクログ
平積みになってたのを見てジャケ買い的な感じで買ったけど、思ってたより良かった。ミステリ作家が描く恋はどれも危うく、足元からサラサラと砂になって崩れてしまいそうで。それがまたいいスパイスになってさらに面白く感じられた。特に私は、『健康で文化的な最低限度の恋愛』が良かった。ストーカーに堕ちていきそうな、自分に大切な趣味や時間や健康や…を全て失っても相手に徹底的に合わせに行く絆菜の気付いててももはや自分を止められない感じ。相手にかけた労力分、『相応のものを返していただかねば』のライトな狂気を含む文章にゾワっとし、茜と同じく果てはストーカーかぁ…と思いきや。最後はちゃっかりカップルに収まってるというハッピーエンド?におぉそっちかと。なんせ重要な場面での文章の上手さに感心しながら読み進めた。