あらすじ
“大人になるまで見てはいけない”
九州北部の限界集落、朽無村。
廃村に近いその村に、たった一人、娘が静かに暮らしていた。
村のお社に祀られる“シラカダ様”という異形の神、
サトマワリという謎の慣習、突如消えた一家。
娘が隠してきたのは、代々伝わる異端の信仰と、
村を襲った忌まわしい悲劇の記憶だった。
辺境の集落に潜む悍ましきモノとは―。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ザ・因習系小説
特殊人物1名と、オウマガの演出が外連味がかっててなんか冷める部分があるが、全体の流れは綺麗に収束を図る。
最後まで読んだときに、「あ、そうだこれって独白だった」と思い出す。
蛇・蛙・蛾の三つ巴バトルと読んでみる。
蛇(シラカダ)は蛙(カワズ)達を精神的に喰らい、蛙は蛾を食らう、ただしシラカダに乗り移られているときに?
蛾(オウマガ)は封印されるほどに強力でありながら、封印されることで三つ巴のバランスが保たれる。オウマガが解き放たれればシラカダは滅びる。バランスが崩壊する。
Posted by ブクログ
最初の導入は良かったけど、思ってた感じと違う展開になった。いくつか、他のホラー作品をおもいださせるようなシーンや言い方を良くしているけど、うーんっていうのもあった。
でも、集落によくある話で頭には入ってきやすかった。
Posted by ブクログ
因習村のホラー。まごう事なき因習村。
構成が小学生の私と高校生の私という二つの時間枠で見た村として描かれているのが素晴らしい。子供の頃はとても素晴らしく美しく優しい人が沢山いる村、だったのが寂れつまらなく汚い村へと変わっている。私の成長でもあるし、時の流れでもあるし、因習と怪異のせいでもある。その対比がとてもホラーとしての雰囲気を味わえた。
読者として読むときは私が大人になってからの村から始まるのがほとんどだったから。
ただ幕間の文章に関しては、後半で構造の説明がされたにも関わらず騙されてしまったのは、地の文は信じてしまうからなのか、そんな不幸は訪れないと信じたかったからなのか。
ラストの怒涛の胸糞展開は大変楽しめたけど、似たような言葉が繰り返し出てくるとか、盛り上げようと書きすぎてしまったりとか、作者のスピードに乗れなくなるとなんだか苦痛になってしまうのが残念。
Posted by ブクログ
古いムラの悪しき因習、複数の時代をまたぐ語り、小物の怪異が真の怪異に駆逐されるさま
みんな好みだけど、鳳崎という名前だけはいただけない