あらすじ
ケガにより引退した横綱・生命力(いのちりき)はある日、大物タニマチの呼び出しを受ける。そこには生命力の心を再び燃え上がらせる舞台があった!我こそは最強と名乗りを上げたチカラビト16人が地下の土俵に集結! 真の最強は地上ではなく地下で決める! 血湧き肉躍る激熱相撲トーナメント開幕!!
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Posted by ブクログ
文句など一切、出させないほど、これは良い格闘、いや、相撲漫画だ。
最強の格闘技は何か、を決める際、間違いなく、相撲は候補に出る。つまり、最強の格闘家は何か、を決める際、力士のトップである横綱もまた、候補の一つに挙げられても、何ら不思議じゃない。
色々と問題が発覚しても、相撲の人気が衰えず、良い一番に歓声が上がり、注目が集まるのも、相撲、これが人の心を熱くさせる「何か」を未だに失っていないからじゃないか。
そんな相撲への「大好き」を、作者の水上先生が、これでもかってくらい詰め込んでいるんだから、私のハートを鷲掴みにするのは当然の話だ。
主格たる生命力を筆頭に、見栄えのする、奇抜な必殺技は使わず、ただ、才能と努力で培った己だけの「武器」を活かして、真正面からぶつかりあう力士たち、彼らの中で、誰が最強の栄光を掴むのか、実に楽しみだ。
この台詞を引用に選んだのは、生命力が、他者が厭う、地味な鍛錬をコツコツと繰り返して、ちょっとやそっとじゃ揺るがない実力を得ている証拠だな、と感じられるものだったので。
絶対とは言えないにしろ、少なくとも、自分の「武器」が何たるか、を知った上で、頭をちゃんと使って、体に染み込ませ、心に刻みつけた、正しい努力だけは、人を裏切ったりせず、それは、土壇場でこそ、真価を発揮するものだ。
(見えなくとも―――指が覚えている。何度となく、稽古を積み重ねて、身につけた、常勝の四つ相撲。十指の内、一本でも、廻しに届けば)(by生命力)
もう一つ、こちらもまた、生命力のカッコ良さが輝いている、と感じたものなので。
万事休す、と言うしかないほどの窮地に追い詰められる。
それは、さほど珍しい事じゃない。
だからこそ、この場面で、自分の選択を後悔し、苦しそうに顔を歪めるよりも、自分の期待を上回ってくれる事に歓喜するような笑みを浮かべる人間は、実にカッコいいじゃないか。
(これが・・・地下相撲・・・来てよかった・・・!!)(by生命力)