【感想・ネタバレ】禍話nのレビュー

あらすじ

SNSを中心にカルト的人気を誇る、怪談ネットラジオ「禍話」。夜な夜な禍々しい話が語られるこのラジオには、「存在しない放送回」=「第n回」がある、という噂があった。「第n回」では、過去に語られた話が、傑作選としていくつか語り直されたそうなのだが、パーソナリティのかぁなっき氏と加藤よしき氏には、そんな放送をした記憶はないという。

本書は、ホラー作家の梨氏が「第n回」を聞いたリスナーたちを取材し、その内容を一冊の書籍にまとめたものである。

「ダンボールの家」「人体模型」「キャンプの嘘話」――そこで語られたという話は、元の話とはどこか「違う」ようで……。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

元々梨さんの禍話リライトはnoteで知っていて、「この人の書く物は怖くて面白い」という認識があった。ただ、『かわいそ笑』だったり直近の『ここにひとつの〜』だったりが、小難しかったり前衛的過ぎたりで個人的に微妙…となることが多かった。
しかし今回のこの作品は、私が惹かれた梨さんの文章だった。不気味で、理解不能なところもあり、物語全体が読んでいて不安な気持ちになってゾワゾワしてくる、梨さんの作品だった。

ところで、「禍話って本当にある配信なのか」と思って検索したら実在するものだったので、YouTubeでアップロードされていたものを見てみた。私はどちらかと言うと、生身の人間が語る怪談に怖さを覚えることはほとんどないのだが(稲川淳二の話、怖いと思ったことないというのが原因としてデカいかも…)、禍話は聞いていて「怖!」となれた。かぁなっきさんの語り口って軽妙なのに怖く感じたので、話自体が相当怖くて薄気味悪いんだと思う。
『禍話n』を通して、元の配信「禍話」というデカい金脈を引き当てられたので、そういう意味でもこの本に出会えて良かったと思う。

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2025年05月12日

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