あらすじ
本当にそんなことがありえるのか?
世界の辺境を旅する高野秀行も驚く
" 朝昼晩、毎日、一生、大人も子供も胎児も酒ばかり飲んで暮らす" 仰天ワールド!
話題騒然の「クレイジージャーニー」の全貌が明らかに!
幻の酒飲み民族は実在した!
すごい。すごすぎる......。
改めて私の中の常識がひっくり返ってしまった。
デラシャ人は科学の常識を遥かに超えたところに生きている──
朝から晩まで酒しか飲んでいないのに体調はすこぶるいい!
出国不能、救急搬送、ヤラセ、子供が酒を飲む...
まさか「クレイジージャーニー」の裏側で、
こんな"クレイジー"なことが起こっていたとは!?
目撃者たった一人のUMA状態の酒飲み民族を捜しに、
裸の王様に引率された史上最もマヌケなロケ隊が、
アフリカ大地溝帯へ向かう!
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Posted by ブクログ
めちゃくちゃおもしろい。インジェラアレルギーと言うパワーワードから始まり、チャガの村の独特な世界、デラシャのフェイク家族など、飽きることなく次々と異世界の扉が開かれていく。
デラシャの話が、テレビでは全てカットされた、と言うので、改めて本には本の面白さがあるのだなぁと、読書の醍醐味も感じられて大変良かった。
Posted by ブクログ
エチオピアの奥地、酒を主食とする民族を求めて調査に向かった話。
テレビでは見れない民族ツアーの裏側の生々しいリアルな話がてんこ盛りで面白い。
小さい頃から酒を飲んでいて、毎日浴びるように飲んでるが健康。むしろ日本人より健康のようにも見え、現代医学の」酒の飲み過ぎは不健康」を根底から覆す。
文明が遅れているのではなく、彼らなりの進化をしている。我々が進んでいる文明、技術が果たして適切な方向性なのかを改めて考えさせられた。
あまりこういう体験記は読まないが、自分がおそらく一生体験しないことを本を通して感じれるのは本当に素晴らしいと思いますね。
Posted by ブクログ
三宅香帆さんがおすすめしてたので
- 書き出しが素晴らしい
空港から話が始まる旅行記にはろくなものがない。成田であっても目的地の国の空港であってもーーというのが私の持論なのだが、この旅行記は私が成田空港へ向かうところから始まる。ろくな旅行記でないことがこのことからもすぐわかる。
- エチオピアのビザがないと飛行機に搭乗できない。。。1週間遅れての出発となる。
- 旅のきっかけは砂野唯著『酒を食べる エチオピア・デラシャを事例として』
- エチオピア南部のデラシャという民族は栄養の大部分をパルショータと呼ばれる酒から得ているというのだ。パルショータはイネ科モロコシ属のソルガムという穀物から作られる濁り酒で、アルコール度数3〜4%くらい。それをなんと1日5リットルも飲むとか、子供も2歳から少しずつ慣れて10代半ばで大人と同じように酒が主となるとか、ほとんど酒だけで生きているのに筋骨隆々としているとか、信じられないことばかり書かれている。
- ソルガムはアフリカでは主食として広い地域で食されているが、ふつうは粉にしたものを煮たりふかしたりして、柔らかい団子か餅みたいな形態にして食べている。それだけだとデンプン室ばかりで栄養が足りないが、発酵させて酒にするとタンパク質を構成するための必須アミノ酸などが生じ、人間が生きるに十分な栄養をまかなえるという。
- 私の目的は大きく3つ
- 1.酒を主食とする民族は実在するのか?
- 2.実在するとしたら、一日中、酒を飲む生活はどんな感じなのか?
- 3.日常生活や健康に悪い影響はないのか?
- クレイジージャーニーのスタッフが同行するフィールドワークの記録
- 覚醒植物「カート」
- 学名:Cathy edulis
- ニシキギ科の常緑樹で和名はアラビアチャノキ
- アラビア語では「カート」ソマリ人やエチオピア人は「チャット」
- カートの葉っぱを食べると楽しくて酔っ払ったような感覚が得られる。でも酒のように酩酊せず、意識はむしろはっきりするから私は「覚醒植物」と名づけている。
- - カートはもともと酒を飲まないイスラム教徒の嗜好品だが、最近はエチオピア全土に広まっている。
- - - - - - - - - - - - - - - - もともとアフリカ諸国では円形の家が主流だったが、今はほとんど見ない。円形の家は少ない表面積で大きな体積を作ることができる。材料と手間も少なくて済む。強度も高い。
- - 廃れてしまったのは欧米の文明が入ってきたせいだ。
- - - - - - 少しでもお金が入ると四角い家を建てようとする。家が四角いこと自体が近代化の証なのだ。
- - - - - - - でも、エチオピアの地方にはまだ丸い家が普通に残っている。
- - - - 異形の村「コンソ」
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - コンソの人たちは最初に村を作るとその周りに砦を張り巡らし、その中に家を作る。人口が増えると村の外側に新しい村を作って同じように砦を張り巡らせる。これが「第二世代の村(集落)」なのだ。さらに手狭になるとそこ側に第三世代をつくる。
- - - - - - - **ほとんど進撃の巨人の世界**
- - - - - - - - - - - - - なんて不思議な場所。電気も水道のない辺境の村なのに、村の中に「自然」が全くない。何もかも人工物なのだ
- - - - 「酒」とはなにか
- - - - - - - - - - - - - - - 酒とは酵母菌(イースト)が糖を分解して作る物質。もっと正確に言えば、酵母菌は糖を食べてアルコール(エタノール)と二酸化炭素を排出する。
- - - - - - - - - - - ブドウなどの果実や蜂蜜、サトウキビなどには糖が含まれているので酵母菌が直接食べることができる
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 米、麦、ソルガムなどの穀物やイモ、バナナなどは糖ではなくデンプン質(炭水化物)を含む。これらは糖は糖でも「多糖類」で、酵母菌が直接分解できない。
- - - - - - - - - - - この場合、デンプン質を糖にかえてやる必要がある。これを「糖化」と呼ぶ。
- - - - - - - - - - - - - - - - 原材料を水と一緒に加熱し糖化しやすくする。穀物が潰れて糊のようにねっとりした状態になるので「糊化(コカ)」と呼ぶ。
- - - - - - - 糊化したタネを糖化させるにはいくつか方法がある
- - - - - - - ①麦芽(モルツ)を入れる
- - - - - - 麦芽の酵素で糖化 ビールなど
- - - - ②麹菌を入れる
- - - - - - 麹菌がデンプン質を分解して糖に変える 日本酒や焼酎
- - - ③口噛み
- - - - - - 唾液のアミラーゼでデンプン質を糖に変える
- やられた!
- - - - - 普段の生活が見たいのに、演出された作られたファミリーだった
- - マイノリティあるある
- - - - - - - - - - - - - - - マジョリティ(もしくは有力民族)と少数民族が居合わせると、公用語を使ったり「よそいき」の態度になってしまう。