あらすじ
「建物」にまつわる怪しい話が満載の怪談実話集。自身の引っ越しにまつわる不思議な話やオカルト的蘊蓄満載の「引越物語」、自宅での恐怖体験、訪れた文化財で出会った“この世ならざるモノ”、東京都庁などの風水事情考察など、加門七海ならではの怖い怪談実話。文庫化にあたり、子供時代を過ごした町にある、増改築をした奇妙な家の物語「建物かいだん」を書きおろし。
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Posted by ブクログ
どっか他の著書にも載ってた話がいくつかあったけど、面白い。
神仏、怪異、見えざる物との住まい方を教えてもらえる…けど、見えないし鈍感なのでイマイチ雲を掴むような感覚です汗
Posted by ブクログ
最近、本物に出会う機会が少なくなり、久方ぶりに読んだ本物感。
やっぱり加門さんも好きな作家と改めて思います。
普段の通り道、会社との往復道、会社の近く、家の周りなどなど、、、
気になることだらけです。
これから都庁を見る目が変わります。
さっ!次の本物探そう!!
Posted by ブクログ
サクサクッとライトに読み進めることができる、加門七海氏の怪談エッセイ。
そこまでドチャクソに怖っ!みたいな話はないので、怖がりさんでも安心して手に取れる。
まぁね、家に代表される「たてもの」はね、人間の生活と切っても切れない関係だから、できれば怖くないたてものと縁を結びたいものだよね。
個人的に好きだった話は以下。
▼「幽霊文化財」
某避暑地の洋館を訪れた時の話が印象に残った。静かに洋館内の雰囲気やデザインを楽しんでいる最中、壁に飾られた写真に異様なモノを見つけ、ついついじっと見入ってしまい…という一連の流れが、なんだかクラシックな怪奇小説のような、はたまた上質のホラー短編映画のような、しんとした中にひたひたと迫る独特の恐怖感を味あわせてくれた。
それから、湖畔に佇むクラシックホテルの話も好き。古風で無害で上品な、ホログラムのような幽霊達の姿が絵画的で美しかった。
▼「夜遊び好き……らしい」
神社の拝殿近くで茶飲み話を楽しむお年寄りの面々とのひとコマを紹介したもの。
最初は「えー?神様に失礼じゃない?」と思っていた作者を、軽々と超えていく感じの老人たちが何だか頼もしく思える。
神様が今拝殿にいるかいないか、そんなのはすぐ分かる、アンタだって隣の家が留守かどうかなんて気配で分かるだろ、というあっけらかんとした切り返しが面白かった。
あとは、「引越物語」の一連の話の中で出てくる、著者の部屋の壁にふっと現れる別の時代の別の部屋の話とか、筆者が「宴会部屋」と呼ぶ座敷で何やら楽しんでるモノノケ的な存在の話も趣があって好きだな。
怖いというより、ほんのりゾクゾクしながら、ちょっぴりお勉強なんかもしちゃいつつ、良い意味でゆるーく楽しめる一冊。
Posted by ブクログ
著者自身が体験したお話。よくある実話怪談を期待して読むと、内容はオカルト関係の風水に関する話が多くなっていたが、都庁の話は興味深かった。「道の話-終わらない話」と文庫書き下ろしの「たてもの怪談」が怖かった。