あらすじ
「読みからおはりや、書く遊ばせたまえ、降りおりて、語りかたりましませ」
学校で、居酒屋で、読み聞かせボランティアで、各所で囁かれるその”おまじない”は、唱えたものに勇気を与えてくれるという。
不登校の姉が別人のように明るくなったことに戸惑う少女。他人と上手く関わることができない青年。過去の事件で記憶の欠落を抱える大学生。
彼女達、“おまじない”を唱えたものの元には「ケガレ」と呼ばれる怪異が訪れる。
「ケガレ」に乗っ取られ、ゆったりと蝕まれる現実は、蕩けるように甘美で歪で――
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Posted by ブクログ
怖かった…。今までホラー色々読んできたけど、ダントツに嫌な怪異。
自分がどんどんケガレに侵食されていって、でも周りの人達は侵食された状態の自分(ケガレ)を好きになって、侵食される前の自我も残った状態でこの現象をまざまざと見せつけてくる。
こんなの絶望するじゃん。オレだったら確実に心折れちゃうよ…。
「今の方が全然いいよ」って言われて穴水くんが絶望するシーンあるけど、自分もこういう事気軽に言ってしまう事あるかもなって、ハッとさせられました。
P240の「きづかないでくれてありがとうね」で背筋ゾワッてなった。なんて残酷な事を言うんだ。マジでイヤな怪異。
欲を言えば、物語の牽引力と疾走感がもっとあると(特に中盤)もっと面白くなったかも。でもとにかくケガレという怪異がイヤな持ち味存分に発揮してくれてるので満足。
ラストの読後感もなんとも切なくていい。タッちゃん優しすぎだろ…。