あらすじ
1970~1980年代に登場した、多種多様な
デザインのコンピュータたちを詳しく解説!
コンピュータでなにができるのか?
それがまだ見えていなかった時代だけあって、当時発売された
コンピュータはどれも試行錯誤の連続であり、そのデザインも
現代からは考えられないほど大胆かつ、コンセプチュアルで
楽しいものばかり。
本書はそんな時代のパーソナル・コンピュータを
「海外」「国内」「Apple」の3章に分けて紹介、オールカラーの
ページで詳しく解説している。
「これがパソコンなの!?」と衝撃を与えてくれる機種もあれば、
うっとりするような愛らしさを醸し出してくれる、
とてつもなく美しいコンピュータも!
当時のコンピュータを取り巻く流れがわかるように、
コラムで周辺事情も深く解説。さらにパーソナル・コンピュータ
誕生までのコンピュータ史も大まかにつかめるように、
巻末にはコンピュータの文化史も配している。
また、古いコンピュータを扱った本はあっても、
電卓までおさえた本は珍しいはず。
今では希少となっているRed LED(赤色LED)の電卓も
デザイン重視でセレクトし、撮影・掲載。
テック系の観点から古いコンピュータを解説した本は、これまでにも
いくつかあるが、「デザイン=外観」を基準にした本は、ほかにはないだろう。
美しいコンピュータをビジュアル的に楽しめ、
また周辺のストーリーを知ることもできる、完全保存版の1冊!
1章 海外のヴィンテージ・コンピュータ
2章 国産のヴィンテージ・コンピュータ
3章 Appleのヴィンテージ・コンピュータ
●コンピュータと女性
●赤LED電卓
●コンピュータの文化史
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
970年代後半から80年代にかけてのヴィンテージ・コンピュータ/レトロPCのカタログ本。
既存のパーソナル・コンピューター黎明期を扱った書籍との違いは、機器の機能よりプロダクトデザインに注目して編まれたという点にあり、そのため図版も多用した目で見て楽しい本になっている。また、取り上げられる機種も当時のベストセラー機であるNECのPC88シリーズやPC98シリーズを取り上げないというかなり尖ったセレクトとなっているのも面白い。勿論、この手のカタログ本ではアレが入っていないコレが入ってないという不満が出るのは当然で、自分としてもデザイン性を基準としているのであれば、Next Cube が入っていないのは駄目だろうとか、エプソンのHC-20よりも、京セラデザインのNEC PC-8201の方が洗練されているのではとか、Apple II GSより、Macintosh II じゃないかとか思うところはあるし、MSXについては客観的にみても家電メーカーが多かったことと規格が共通だったため差別化のため多用なデザインの機器が発売されており、当時のコンピューターをデザインの観点から取り上げるのであれば Apple に割いている紙幅をいくらか削ってでももっと取り上げるべきだったろうと思う。
とはいえ、ヴィンテージ・コンピュータ本として図版以外のテキストもなかなか読み応えのあるもので、SHARPのX68000のマンハッタン・シェイプに元ネタがあったという話は寡聞にして知らなかったのでちょっと驚いた。また、内容的にはちょっと唐突な感じもあるがコンピュータと女性について論じたものなどコラム記事も興味深い。電卓については、電卓だけで1冊本にしてほしい。