あらすじ
シングルマザーの美苗は、兄夫婦と両親、祖母が引っ越したばかりの家に幼い娘とともに身を寄せる。そこは有名な事故物件で「ある部屋に絶対に足を踏み入れてはいけない」と言われている。誰もいないはずの部屋から足音が聞こえ、眠ったままの娘がなにかに手を引かれるように寝室を出て行く。この家はどこかがおかしい……。美苗は霊能者を名乗る女性に助けを求めたが、ついにある日、その部屋から娘が意識のない状態で発見される。娘を助けようとする美苗は、この家に隠された、驚愕の過去を知る――。
第8回カクヨムWeb小説コンテスト〈ホラー部門〉大賞を受賞した著者による、戦慄の「家」ホラー!
【電子書籍特典】 特別書き下ろし短篇 「人形つくりの家に関する話」
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Posted by ブクログ
怖かった…
シロさんと黒木くん、二階堂くんのターンの時は安心感がすごかったけれど、その分、あの家のターンになった途端に空気が変わり、ゾワゾワと静かな恐怖が押し寄せてきて夜中にトイレに行くのが怖かった…
最初は、あの家と幕間の話がどう繋がるのかと思っていたけれど後半にまさかそういうことだったとは‼︎ととても衝撃だった。
やっぱり“家”にまつわる話は怖いし、皆んな誰しもが家に住んでいるから自分にも同じ恐怖が降りかかってくるんじゃないかと思って、読んでても読み終わってもずっとゾクゾクとした怖さが残ってる。
でも先が気になるし、とても読みやすいからあっという間に読み終えてしまった!
ただ少し腑に落ちないところがあるのだけれど、
結局、綾子さんはどういう存在だったのだろう…?
その夫で美苗の兄も、明らかに異様な家の雰囲気に恐怖をしていたのかそれとも綾子、又は家にいるなにかに取り込まれていたのだろうか…??
まだあのマンションの怪異は解決していないようだし、これは続編が出るのかな?
この怪異の解決編を読んでみたいなぁ。
Posted by ブクログ
とある古いお屋敷に越してきた美苗家族。兄の嫁である綾子さんが強く希望し購入した、通称、井戸の家だ。井戸の家には入ってはいけない部屋があり、夜になるとその部屋から出てきた何者かが家を歩き回る。そしてその家では次々と人が死んでいくのだった。
美苗の話と、志朗の話はまったく無関係のようで、じつは繋がっており、最終的に2人の人生は交差する。ずっと志朗はいつ井戸の家に行くんだろうと思っていたけど、なるほど、そういうことかと納得。
もうひとつ感じたのは、幽霊よりも人間が怖いよねって教訓。どんなに理不尽な幽霊がいたとしても、それを作ったり使ったりするのは人間なんですよ。やっぱり人間がいちばん怖い。