あらすじ
世は大正。華族である堀井男爵が、何者かに殺された。
自称“ハードボイルド”私立探偵・平島元雪は、
「華族殺し」の犯人を突き止めるため独自調査を開始する。
未亡人となった堀井夫人の愛猫探し、噂の怪人“ムカデ伯爵”と失踪したバスガールの行方、
堀井家に現れる“黄金幽霊の首”の謎……
無理難題を突きつけられる平島の前に、美しき年少浪曲師・真鶸亭湖月が現れる。
湖月は平島から投げかけられる事件の手がかりと、実在の説話・伝承を元に、
即興で創り出す奇想天外な物語〈カタリゴト〉を披露していくが――。
その〈謎解き〉は単なる騙りか、はたまた真相への糸口か?
帝都を舞台に繰り広げられる大正推理奇譚、ここに開幕。
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Posted by ブクログ
口下手な探偵が抱えていたちょっとした謎を、事件を、性別年齢不詳の浪曲師、湖月が「カタリゴト」として謎解きしていく物語。
「カタリゴト」自体も二段仕立て、一見繋がりのない3つのお題から荒唐無稽な物語を語り、そのあと語り直してネタばらし=謎解き。
その「カタリゴト」も真実と思っていたら、実際の事件との齟齬が後から見えてきて、まだ裏があることに驚かされるという。
そして、最後の最後で、これまで語ってきたバラバラの「カタリゴト」が一つの大きな物語として集約されていく。
この構成が最高によかった!
一つの事件を何度も噛み締めて楽しめる、いくつもの解釈で楽しめるというか。
湖月のキャラもいい。
帯には「美少年」とあったけど、作中で性別って明かされていたっけ?
少年でも少女でもおいしいキャラでした。
平島が推したくなる気持ちも分かる。
口下手だった探偵の平島も湖月と出会って急速に探偵として成長していくその過程も楽しめた。
最後の事件ではその成長ぶりが遺憾無く発揮されてかっこよかった!
ぜひまたこの二人での謎解き、読みたいですなあ。
Posted by ブクログ
大正時代。親しくしていた華族の人が殺されてしまう。
その犯人を追うため探偵になった主人公・元雪が少年浪曲師の湖月と出会って事件を解決していくお話。
特にホラーではないような。
浪曲師の湖月くんが元々あった話をアレンジして浪曲として語るので、それは真相なのか??となってしまう。
また、ただでさえミステリーって人物関係が複雑なのに話が二重三重になるので、どんどんごちゃごちゃしてくる。
そして浪曲語られる内容が真相かどうかも分からないのスッキリしないまま終わるという。設定は好きなんですが、ちょっと物足りない。もう少し踏み込んで欲しかった。
あと湖月くん絶対女だって疑ってたのですが、結局素性が不明のまま終わってしまった。