あらすじ
誰かに救われたり裏切られたりしながら、
世界への信頼を少しずつ取り戻していく。
幸福と絶望を行き来する
解離性同一性障害者の「普通の日常」。
「凄かった。読み終えると世界が澄みわたって見えた。生き延びて、なおかつ伝えることを諦めずにいてくれる碧月さんに心の底から感謝する。」
――村山由佳さん(作家)推薦!
【本書の内容】
虐待サバイバーで解離性同一性障害者。そんな過去や属性を聞いたとき、どう思うだろうか。怖い、可哀想、つらい過去を乗り越えた強い人、下手に関わらないほうがいい相手。あるいは、かつて「多重人格」とも呼ばれたこの病に、好奇の目を向けるだろうか。この社会では、正常とされる枠からはみ出た瞬間、一方的に判断され、傷つけられることが日常茶飯事である。
本書は、虐待サバイバーである自身の原体験をもとに、マイノリティの現状や課題について発信してきたライターが、主人格含む7つの人格と共に、パートナーにも支えられながら生きる「普通の日常」を綴った一冊だ。
“私は自分の言葉で、自分の日常を書きたいと思いました。幸福だった瞬間も、絶望した瞬間も。私という「人間」がこの社会で、あなたと同じように生きていることを伝えるために。読み終えたあとに、清廉潔白ではない、死に物狂いで生きている私の(私たちの)日常を、少しでもみなさんの心に残せたとしたら、この上ない喜びです。”
――はじめに 私の人間宣言
「交代人格」と共に、そばにいるパートナーと共に、この理不尽な社会に抗う様を記録した、気高きデビューエッセイ集。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
虐待サバイバーの著者による、解離性同一性障害である彼女の日常を綴ったエッセイ。
赤裸々な内容が、とても興味深く、読めた。
作り物ではなく、リアルな日常が感じられた。
タイトルが、なんとも素敵だった。
タイトルの持つ意味。
交代人格への感謝が表れていて良い。
交代人格への愛情は、そのまま主人格の著者自身への自己肯定へ繋がっているよう。
パートナーさんと出会えたこと、息子君達の誕生、友人との出会い、良かった。
色々意見もあるけど、幸せに生きていってね、という気持ち。
エントラップメント型性暴力の件、ここだけは、片方の意見だけを聞いて判断できるものではないけど、
非常に悲しくて悔しくて、苦しいなんて言葉では言い表せない思いをしたのだろうと思う。相手の事を恨む気持ちも。
「なんにもしない」なんて誘い文句で家飲みしようなんて輩は100%下心ある。友達を飲みに誘うのに、わざわざ「なんにもしない」なんて言わない。だって友達だもん。そもそも「なんかする」って発想にもならない。