あらすじ
「家族ほど外から見えないものはない。一見幸せそうな家族であっても、裏側から見ると、全く別の家族像が浮かび上がってくる」。そう著者は語る。
互いの努力で平穏を維持してきた普通の家族が、お葬式に始まる弔いの儀式を重ねていくうちに溝が深まり、やがて断絶に至ってしまう――亡き人を偲び、あたたかく見送る弔いの場をきっかけに起こる家族の悲劇。
10年以上にわたり家族問題を取材してきた著者が、「葬儀」に軸足を置き、家族関係の難しさ、「モラル」と「負の感情」がせめぎ合う人たちの苦悩に迫るノンフィクション。
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Posted by ブクログ
今、まさに自分の身に降りかかっている出来事で、沸々とした思いに囚われているところでした。
この本を読んで私だけでなく、どこの家族、個人にも起こり得る出来事であり、思いであるんだとわかり救われた気分です。
弔いとは、亡くなった人を1人1人が違う立場、思いで偲ぶものであり、そこに残された家族の意見のぶつかり合いや、見栄や妬みの入った葬儀など、私にとって本当に無意味だと思った。
そして改めて自分の時の弔の仕方を考えさせられました。自分の時は、本当にごくごく身近な人たちだけで静かに見守り、私らしい旅立ちで送り出してくらたら、という思いが浮き彫りにされました。
それによって死への負の気持ちが少し柔らいだように思います。