あらすじ
鎌倉にある「カフェどんぐり」は、ツリーハウスと広々としたガーデンテラスがある素敵なお店。店主のあさひが作る朝ごはんは、お客様にぴったりの一皿だ。学校に行きたくない気分の女子高生には具だくさんの台湾おにぎり、ブラック企業で疲弊したサラリーマンには滋養たっぷりのスープ、夜もバイトをして夢を追う俳優の卵には甘いミルクレープ――。余裕のない心と身体に染みわたる、とびきりの朝ごはんを召し上がれ。優しくて心温まる連作短編集。
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Posted by ブクログ
あさひさん、魔法使いか何かかと思うほど先読みしてません?
コースターに書かれた文言が毎回違う上に、後々お客様に提供する朝ごはんに関わる国や地域の言葉だったので。
おまけで、彼の飼っているシマリス視点であさひさんの日常が描かれるけど、あさひさんのこの謎は分からないままだったなあ。
料理人としてはすこぶる優秀なことは伝わった。
予算とリクエスト次第で様々な朝ごはんを作ってくれるカフェ(朝ごはん以外は普通のカフェとして営業)とそこに偶然訪れたお客様のその転機の物語。
やってくるお客様は多くが朝ごはんをちゃんと食べられていない人たち。
その人たちが、このカフェどんぐりの朝ごはんによって気付きを得て、朝ごはんを「おいしく」食べるようになり、そこから生活が好転して、その好転の輪が次の人へ、例えば家族や友人へと広がっていく。
いい連鎖を見ました。
また出てくる朝ごはんが美味しそうなんですよね。
小学生の少年にあさひさんが指南した朝ごはんは、実際に自分たちも実践できそうなレシピで試してみたくなりました。
お客様たちは前述の小学生にや高校生、ブラック企業に勤める社会人や舞台俳優志望の女性、それにちょっとすれ違っていた老夫婦と様々。
それぞれがしっかりバックボーンが語られているので、妙にリアルでした。
仕事も違うのに書き分けがすごいなあと。
読んでいて思ったのは、朝ごはんは本当に大事だということ。
そして自己中心的な思い込みはよくないということ。
登場したお客様たちは多かれ少なかれ、思い込みから袋小路に陥っている印象を受けたので。
相談したり、言葉にするだけで、あっさり道が拓けることもあるのだろう。
自分で抱え込みすぎるのはよくないなと自戒した。
あと朝ごはん、しっかり食べなくては。
Posted by ブクログ
読んでいるこちらまで幸せになれた本。予算内でお任せモーニングを作ってくれる。その後もレシピを教えてくれたりして身体だけでなく心も癒してくれる。
*自分を粗末に扱っていないか?食べるものや睡眠、心地いい事を手放すとマイナス思考になっていく。しっかり食べて寝て、本を読んだり体を動かしたり、自分が幸せだと思う事をしよう。
Posted by ブクログ
朝ごはんは大事だよ!ってだけの内容ではなく
朝からご飯を食べることがキッカケとなって
日々の過ごし方なんかがじわぁ~と
変わっていく様子で描かれているのが
リアル感があってよかった。出てくる朝食も
おまかせでそんなに種類作れんのかってくらい
バラエティーに飛んだメニューで
どれも美味しそだし、その人たちに
合わせた朝食メニューが素敵でした。
作品自体は多少出てくる登場人物達が
上手くいきすぎてる感はあるものの
朝ごはんと言うキッカケをうまくつかって
前向きに進んでいく様はやっぱりいいですね。
訪れた人を癒してくれるカフェどんぐり
近くにあったら是非行ってみたいものです。
あと台湾おにぎりはちょっと気になる・・・