あらすじ
『怪談』『知られぬ日本の面影』『日本――一つの試論』。日本人も気づいていなかった日本文化の魅力・価値に気づき、世界に広めた人物、小泉八雲。
自身の生い立ちに由来するコンプレックス、葛藤にもがいていたかつての彼、「ラフカディオ・ハーン」はいかにして「日本人・小泉八雲」となったのか。日本へ渡り、日本人の生き方や文化、そして妻となる女性、小泉セツに出会い、彼の人生はヤゴがトンボとなって飛び立つがごとく変わっていく――。
アイルランド出身の著者が描く、空想と史実が織りなす魂の伝記小説。日本人とは何かという問いを、現代の私たちに投げかけます。
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Posted by ブクログ
小泉八雲の生涯を描いた小説。
著者の綿密な取材により小泉八雲が生きた明治初期の日本の情景がありありと目に浮かぶ。
自己主張をせず、一歩引いて夫を立てるという妻セツの献身的な振る舞いからは古き良き日本人らしさが感じられ、そんな妻に次第に心惹かれていく八雲の思いが丁寧に綴られている。
また、八雲は、日本人の死者との向き合い方に特に惹きつけられた。お盆やお墓参りなど日常の中で死者に手を合わせ、忘れることは死者を苦しめることという考え方に感動をする。
日本の伝統や日本人の考え方が外国人である小泉八雲の視点から描かれることによって、日本人の良さを知り、日本人であることを誇りに思い、自分もそうありたいと思った一冊であった。
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小宮由さんの翻訳ということで、楽しみに手に取りました。ラフカディオハーンこと小泉八雲の生涯を、史実を元に描いたフィクション作品です。日本が鎖国を解いた直後、西洋文化がまだ入り込む前の古き良き日本の姿を、瑞々しい言葉で八雲は残してくれています。目に見えないものを大切にする当時の日本人の姿は尊く、今では失われてしまった日本が沢山あることを教えてくれました。ハーンが願った尊き日本人の心を、私も持っていられるだろうか…持っていたいと思わせてくれる、素晴らしい作品でした。改めて小泉八雲の『怪談』など、多くの作品を読みたくなりました。
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小泉八雲 ラフガディオ ハーンの生涯を描いた作品。彼の生い立ちや日本への印象などが繊細で豊かな表現でつづられている。なぜ日本に来たのか、日本人の妻セツとの馴れ初めや夫婦関係など、怪談を書いた作家としてのハーン以外の人間味あふれる半面を想像させてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
『ばけばけ』が面白くて
小泉八雲について書かれている本を読んでみたいと思っていたら貸してもらったこちらの本
小泉八雲さんに、興味津々です
こんなにも、古来の日本を愛していたのかと
私は日本で生まれて、日本で育った
間違いなく日本人だけれど
自分の国のことをこんな風に愛したことは今までにないし、これからもないかもしれない
神々の国であることは、それでもなぜか私の心には根付いていて
八百万の神はいると思っているし、無くしたくない風習や伝統もある
時代に合わせて変わっていくものもあるけれど
変わってほしくないものもある
中から見るだけではわからない
外から見た日本
自分の国のことでも、案外知らない、わからないものがあると思います
Posted by ブクログ
開国直後の日本にやってきたラフカディオ・ハーン。
東京での生活に馴染めず、古き良き日本を求め松江の英語教師へ。松江で小泉セツに出会い生活が変わり…。
小泉八雲の話はあまり聞いたことが無いので読んでみた。
なかなか難しい人物…。セツやセツの家族との生活でのカルチャーショックなど、色々大変。
外国の人が書いた本だし、ちょっと「?」な部分もあるけど、古い日本の話は分からないから気にしないで読んでしまった。