あらすじ
大学生・久守は触れた人の後ろ暗い秘密が視える幻視能力に、幼い頃から苦しんできた。しかしある日、美大生の佐伯に触れ、話題になっている残忍な連続殺人の犯行を幻視してしまう。この事件を止めるべく、懐に入り、証拠をつかもうとするものの、佐伯と交流を重ねるうちに、孤独だった久守は本当の絆を感じ始める。犯行を止めるため、能力を駆使する彼の友情は、どんな結末を迎えるのか? 一気読み必至のノンストップ・ミステリ!
『幻視者の曇り空 ―― cloudy days of Mr.Visionary』(二見書房)を改題・加筆のうえ、文庫化したものです。
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Posted by ブクログ
花束は毒がとても面白かったので、読んでみた。
主人公は、相手に触れることその人物が起こす悪事を幻視できる能力を持つ大学生。
ある日、すれ違い様に触れた人物の幻視により、刺殺体が見えたことより、世間で起きる連続殺人鬼であることが疑われる美大生「佐伯」の正体に迫る、というお話。
佐伯はグロテスクな表現の絵を描いたり、人体の構造に対する異常な興味を持っていたりと、知れば知る程殺人鬼の可能性を感じる。
ボランティア活動でホームレスの炊き出しに参加したりしながら、仲良くなりつつも疑い続ける。
後輩の真野梨香が襲われる可能性が出てきて…
真相の核となる部分については、おおかた予想ができました(真犯人は真野梨香、彼女が犯した殺人現場を佐伯は、死体観察も兼ねて追いかけて写真を撮ったりしていただけだった)。
ただ、真相の予想がついていても、佐伯の異常性が終始垣間見える度恐ろしさを感じずにはいられませんでした。