【感想・ネタバレ】二〇三高地 旅順攻囲戦と乃木希典の決断のレビュー

あらすじ

日露戦争最大の激戦「旅順攻囲戦」。日本軍は、ロシア軍の要塞と機関銃が待ち受けるなか、肉弾攻撃を繰り返し、犠牲者を続出させた。なぜ失敗を繰り返しながらも、二〇三高地を奪取し、勝利を掴むことができたのか。そのカギは、乃木希典らによる戦術の刷新にあった。未公開史料を含む、指揮官・参謀の日記や電報、回顧録などをもとに、気鋭の戦史学者が徹底検証する。

【目次】
はじめに ―爾霊山―
第一章 齟齬 ―第三軍の編成と前進陣地の攻略―
一、旅順攻囲軍の編成経緯とその問題点
二、第三軍司令部編成上の問題
三、前進陣地攻略戦
第二章 迷想 ―第一回旅順総攻撃―
一、攻撃準備
二、攻撃計画
三、攻撃実施
第三章 決断 ―前進堡塁の攻略と第二回旅順総攻撃―
一、正攻法への転換と窮地のリーダーシップ
二、前進堡塁に対する攻撃
三、第二回旅順総攻撃の攻撃準備
四、第二回旅順総攻撃
第四章 屍山血河 ―第三回旅順総攻撃と開城―
一、主攻正面論争と第三回総攻撃計画
二、第三回旅順総攻撃
三、決戦・二〇三高地の戦い
四、敗北から勝利へ
五、旅順開城
おわりに ―伊地知と乃木の評価―

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Posted by ブクログ

旅順攻略までを新たに発見された資料や今迄の資料の再考し通説を再検証する本でした。
旅順攻略に際して現地要塞の状況の情報無し、要塞攻略戦の基礎研究無し、砲弾の備蓄僅少。と、手探りに近い状態で近代的要塞を攻略しなければならない第三軍。バルチック艦隊襲来というタイムリミットまである始末。
如何に要塞を失敗しつつも改善しながら攻略していくか?という苦悩を描いてましたね。
過去の乃木無能説に対極的な新資料と過去の資料の読み直しで新たな乃木像がとても興味深かったです

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「坂の上の雲」のイメージが先行してしまい、実際とは異なることも数多くあったようだ。ただ、日清戦争における旅順要塞戦からの脱却ができずミスを犯していたというのも事実。10年違えば、戦略や兵器の進化もしているだろうから、戦死者数をもう少し抑えることができたかもしれない。そして大国ロシア相手に兵力や弾薬が劣っていたのよく負けなかったものだ。私自身乃木希典に対する見識を改めたいと感じた。

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2024年08月30日

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