あらすじ
2023年10月、ハマスがイスラエルに対し大規模な攻撃を仕掛け、世界は驚愕した。しかし日本ではハマスについてほとんど知られておらず、単なるテロ組織と誤解している人も多い。ガザの市民の多数が支持するこの組織は一体どんなものなのか。中東ジャーナリストの著者が豊富な取材から明らかにする。
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Posted by ブクログ
岡真里さんの本以上にパレスチナのことが歴史を追ってわかる。現地での取材を重ねた元朝日新聞記者のジャーナリストとしての気骨が伝わる本であった。
2024年6月時点でのガザの死者は3万7千人を超え、そのうち子どもの死者が1万5千人超えだという。世界中の紛争で亡くなる子どもの数は一年間で3千人以下だというから無惨である。(これも許せないが)
イスラエルの蛮行はやまない。西欧、米、ロ、そしてあろうことか我が日本などがジェノサイドの加害者側に立っていることが大きな要因だ。恥ずべきことだ。
作者の古巣朝日新聞でさえ、ハマスのテロ対反テロのイスラエルの争いという見方を広める。
平和を望む者は騙されないようにしなければ。本書の一読をお勧めする。
Posted by ブクログ
作られたステレオタイプをいつまでも引き摺っている現状。人命と人権を守るために取るべき戦略が偏見や過去によって阻害されることがないよう、多くの視点を獲得し続けるしかない。
ハマスの実像
なかなかわかりにくいハマスという団体がわかりやすく説明されています。ただハマスが悪いのかイスラエルが悪いのかを単純に決めつけることができない実情が現実であることに、言い知れぬ無力感があります。宗教、人種、言語などもろもろによる憎悪をなくすのは、バベルの塔が物語れた時代から人類共通の悩みであるのでしょう。一人一人がお互いを理解しようとすることが難しく、それだからこそ目指そうとするしかないのではと改めて考えさせてくれる本です。