あらすじ
テレビに映し出された風景に見覚えがある。行ったことはないのに、確かにこの情景を知っている……。高校2年生の矢崎武志に起こったのは強烈な既視体験(デジャ・ヴ)。彼は意識を失う度に、はるか昔、生まれる前の世界を体験する。その世界で彼は戦国の忍びの一族だった。前世で何があったのか、なぜ過去を追体験するのか? 運命の人に再び出会うため、時空を超えて駆け巡る愛と宿命のリフレイン! 1993年、新書版の「ジャンプJブックス」で刊行された村山由佳の正真正銘の処女作がついに電子版で登場!!
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Posted by ブクログ
序盤から、由佳姉さんはとてもスピリチュアルな方なのではないかと思った。
そしてあとがきを読んで確信した。
しかもこの文庫本が発行されたのは1998年。
今よりもずっと前世についての知識は浸透してなかったはず。
とても興味深く読み、そして楽しめた。
“真に愛した男と一夜を過ごすことが、人の道にはずれたことだとはどうしても思えなかった。人の道に外れるとは、夫がしていることを言うのだ。”
おりんがはやてと関係を結ぶことを頑なに拒むシーン。
若くないから。
10も離れているから。
いやだと言っても思う通りにするのであろう?
これらは全てエゴだ。
そのエゴを見透かしたはやては一言、
「いやなのか?」
「いやならいやと言え」
と、おりんがどうしたいのかを聞く。
このシーンだけでもはやてはいい男だと思った。
この視点25年も前に由佳さんは着眼している。
益々由佳姉さんが好きになった。
ただひとつだけ。
ラストの終わり方はあれで良いのか??と思っていたら、これはおいしいコーヒーシリーズのスピンオフなんだね。
あとがきで由佳さんはこう書いてます。
「読んでくださる方たちに、読んだことを後悔させない小説を書き続けたい」
他の作品も、追います!!
Posted by ブクログ
物語は現代の矢崎武志のお話と戦国の忍び、はやてのお話とが交互に進んでいきます。
初めはそれぞれのお話が平行線で展開されていきますが、物語が進むにつれて二つのお話が交差して意外なクライマックスへと繋がります。
頭から前世の存在を信じている訳ではありませんが、前世があり、このお話のように運命の人とは繰り返し永遠に巡り合うと想像してみるとロマンを感じずにはいられませんでした。
武志にしても、はやてにしても十代の少年が主人公なのに、とても色っぽいお話でした。
こちらの小説は村山由佳さんの最初の作品のようです。村山さんの本は何冊か読んでいますが、この『もう一度デジャ・ヴ』が今のところ一番好きです。
Posted by ブクログ
15年以上前に読んだものを再読。当時は「おいしいコーヒーのいれ方」のサイドストーリーになっているとは知らず、運命の恋人と出会う輪廻転生の繰り返しをテーマにしたファンタジーテイストに抵抗を感じたと記憶しているが。今回改めて読み直すと物語の厚みを増す形で楽しむことができた。サイドストーリーの方が作品としては古いことも興味深い。
200年前と現在とのリンク。登場人物のほとんどを身近な人物と重ねるのはちょっと強引であるが、それを知った上で読むのも面白い。
はやて→矢崎武 おりん→桐島先生 嵐→狩野 凩→小林 夕凪→小島夕子 鬼蔵→大仏
Posted by ブクログ
薄いし、内容も軽くて読みやすい。中高生向け?
前世とか運命とか、そういう中二ぽい設定だいすきです。
ハッピーエンドもたまにはいいよね!
Posted by ブクログ
相当初期の頃の村山作品なので、今更読んでもおばちゃんは…。
設定に既視感あり、ストーリーにも既視感あり。
時代小説部分については、リアリティよりもキャラクターの心情に主眼を置いているので、なんだかあさのあつこの作品っぽいと思ってしまった。
今読むべき本、ではなかったな。
Posted by ブクログ
ライトノベル。と言いきっても怒られないと思います。
教科書のような筋書きで、しかもテンポがいいのでリズムだけでスラッと読んでしまえる。現在と戦国時代という場面の変化を上手に使っているせいかも。
村山作品は2冊目ですが、一切の破綻や筆が流れるということがなく、きっちりと起承転結に納まるのは見事。その上で「出逢い」にものすごくこだわっているように感じます。
題材は輪廻転生。と言うよりも、運命の人との出会いを描いた作品なのかな。
女性にとっての白馬の王子様、男性にとってのお姫様。赤い糸で結ばれているのなら、その人との出会いは前世から決められた未来。
約束された少し先の未来までを、時を往き来しながら描く青春胸きゅんストーリー。
映画かアニメのノベライズのような小説でした。
意外と面白かったのは、この手が好きなのからかも知れんよ。