あらすじ
用心棒のウィードはいわくつきの宝・紅吉祥【くれないきっしょう】のハントに同行する。
それは数百年に一度、指輪や盃等を依代に顕現する、国をも揺るがす力を秘めた代物らしい。
だが顕現のとき「器」に選ばれたのは人間――舞姫ラウラだった。
元奴隷の彼女は権力者に利用されかねないその力を拒絶。
力を捨てるため聖地への旅を決意し、報酬につられたウィードは護衛を引き受ける。
奔放なラウラに手を焼くウィード。
一方ラウラは人生に投げやりな彼が歯がゆい。
即席の主従関係でしかなかった二人が変わっていく中、紅吉祥を狙う者が現れ――。
==登場人物==
ウィード
腕利きの用心棒。面倒を嫌い、高額の報酬が出る依頼しか引き受けない。
女の悲鳴が苦手。
過去は別の仕事をしていたようだが……?
ラウラ
旅芸人の一座の舞姫。
卓越した舞の技量と容姿の美しさから、「傾国の舞姫」と呼ばれる。
奔放な性格だが、他人を細やかに気遣う一面も。
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Posted by ブクログ
本来は物に宿るはずの「紅吉祥」の力を宿してしまった舞姫と、成り行きで彼女を護衛することになった訳あり用心棒の珍道中の物語。
いや、決して珍道中ではない筈なのだが、主役二人の口調がとにかく悪いし、漫才やってるのかというくらい言い合うことが多かったのと、出てくるキャラが紅吉祥」の力に目が眩んでキャラ崩壊したか、チンピラか、とにかく全体的にガラが悪いので、どうにもシリアスになり切らない。
用心棒の彼は割と重めの過去を持っているのに、口調のせいで最後までチンピラ感あったからなあ。
ただ中盤以降、「紅吉祥」に力の具体的なことが分かってからは、シリアス度が上がり、一気に読みやすくなった。
ラスボスとも言える相手への対処法が起死回生のもので、あれだけ言い合っていた二人がよくぞここまでと、種明かしを読んだ後は感慨深く思ったほど。
いやあ、騙されるところだった。
「過去に罪のある者は、こうでもしないと救われないのか」と真剣に悩んだので。
あの過去を持っている彼だからこそ、打てた手なのだろうなと感じた。
ラスボスも含めて「紅吉祥」に目が眩みキャラ崩壊を起こす者が多い中、舞姫と用心棒の彼だけは、その誘惑に打ち勝っていた。
それは何故なのか。
ここに意味を持たせたところもよかった。
惜しむらくは、冒険はまだまだこれからのところで物語は終了、打ち切り感のある終わりだったこと。
厄介なこの力、本当の意味で手放せる日を祈っております。