あらすじ
失踪した人が半年後に剥製として発見される――。そんな怪事件が続く街で探偵事務所を営む近森晃平と、幼馴染の美貌の青年・彗は、被害者遺族からの依頼をきっかけに事件の調査を始める。事件を追ううち、11年前に起きた猟奇連続殺人事件「キャトル事件」との関連が見えてくるが、実は晃平は、その事件で両親を殺された被害者遺族で……。過去と現在、猟奇と耽美が絡み合う長編サスペンス――「人間の内側に潜んでいるモノ、秘めている事、それを抱える事で人はどうなるのか。少し怖いですが、自身を見直すきっかけにもなるかなと思います。」―― RIKUさん(THE RAMPAGE)推薦!
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Posted by ブクログ
失踪した人が半年後に剝製として発見される。そんな事件が続く街で、探偵事務所を営む晃平は、被害者遺族からの依頼をきっかけに事件の調査を始める。
事件を追ううちに見えてきたのは、11年前に起きた連続猟奇殺人事件である、通称「キャトル事件」。実は晃平はキャトル事件で両親を殺された被害者遺族で……。
過去と現在の猟奇殺人事件が繋がるミステリ小説です。
主人公の探偵・晃平と、幼馴染の彗との凸凹バディ系ミステリで、ライトノベルのような軽い雰囲気とキャラの濃さに反し、登場人物たちの過去は重いし、事件もグロテスク。全体的に暗くてなかなかに後味悪いです。
身内が犯罪に巻き込まれた時、理解できないと分かりながらも、「何故」を考えてしまうものかもしれない。人は理解できないものを恐れるものだから。
分からないものを理解したいとか、すごいと言われたいとか、内に秘めたそんなささやかな気持ちの向かう先が少しずれただけで、たやすく人は道を踏み外すものなので、折に触れて自らを省みていかないといけないなと思います。
周囲がもうバケモンだらけなので、主人公と刑事の鯉沼さんの普通さ・善良さが際立って数少ない癒しでした。いい人だ……。幸せになってほしいな。