あらすじ
失踪した人が半年後に剥製として発見される――。そんな怪事件が続く街で探偵事務所を営む近森晃平と、幼馴染の美貌の青年・彗は、被害者遺族からの依頼をきっかけに事件の調査を始める。事件を追ううち、11年前に起きた猟奇連続殺人事件「キャトル事件」との関連が見えてくるが、実は晃平は、その事件で両親を殺された被害者遺族で……。過去と現在、猟奇と耽美が絡み合う長編サスペンス――「人間の内側に潜んでいるモノ、秘めている事、それを抱える事で人はどうなるのか。少し怖いですが、自身を見直すきっかけにもなるかなと思います。」―― RIKUさん(THE RAMPAGE)推薦!
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Posted by ブクログ
樹島千草『剥製の街 近森晃平と殺人鬼』集英社文庫。
書下ろしの連続殺人事件を描いたミステリー。
猟奇連続殺人事件をテーマにしたミステリーということで興味惹かれて読んでみた。ライトノベルのような雰囲気の中、なかなかハードな事件が描かれる。しかし、探偵と連続殺人鬼が血で血を洗うような闘いをする訳でなく、割とあっさり確保されることに拍子抜けした。
途中、人形劇のフライヤーというのが何なのかよく解らず、ネットで検索したが、それがどうして重要な鍵になるのか解らなかった。
主人公の25歳の近森晃平が探偵事務所を営む街で怪事件が続く。ある日、近森の元に秋月瑠華という女性が現れ、紛失したスマホを探して欲しいと依頼する。
瑠華の夫は何の前触れもなく失踪し、半年後に剥製にされて戻って来たのだ。夫との思い出が詰まったスマホは夫が失踪した日に紛失していたと瑠華は訴える。瑠華の夫のようにある日、何の前触れもなく一人の人物が失踪し、半年後にその人物は物言わぬ剥製となって家族のもとに戻ってくるという異常な猟奇殺人事件が3件も続いていた。
晃平は瑠華の紛失したスマホが猟奇連続殺人事件の犯人が入手している可能性を考え、幼馴染の美貌の彗と共に事件の調査を始める。2人が事件を追ううちに11年前に起きた猟奇連続殺人事件『キャトル事件』との関連が見えて来る。実は晃平は『キャトル事件』で両親を殺害されていたのだ。
本体価格640円
★★★★
Posted by ブクログ
金曜の仕事帰りにご褒美時間。
駅前の書店に立ち寄る時間。
表紙とあらすじで購入しました。
失踪した人が半年後に剥製として発見される。
連続怪事件が発生する街で探偵業を営む晃平と、
人を狂わすほどの美貌を持つ幼馴染の彗。
被害者遺族の依頼をきっかけに調査を始める。
晃平が巻き込まれた過去の事件との繋がりが…?
数時間で読めました。
ライトノベル?のような印象でした。
「漣の王国」の後だったから余計かもしれないです。
気になったのはこのテーマ。
なんで剥製?というところ。
猟奇殺人はなぜ起こるのか。
登場人物がみんなあやしくて無駄がありませんでした。
被害者遺族の人生が大きく狂い、
人としての感情や、環境を壊される。
ラストは…おおおお…となりました。
ぜひ気になる方はご一読を!
Posted by ブクログ
事件は異常だけれど、ミステリーとしては割と普通だった。合間合間にいろんな人の内情を入れているけれどそれほど影響もなく‥続きが出せるなら見たいけれど、多分ないだろうなぁ。
Posted by ブクログ
失踪した人が半年後に剝製として発見される。そんな事件が続く街で、探偵事務所を営む晃平は、被害者遺族からの依頼をきっかけに事件の調査を始める。
事件を追ううちに見えてきたのは、11年前に起きた連続猟奇殺人事件である、通称「キャトル事件」。実は晃平はキャトル事件で両親を殺された被害者遺族で……。
過去と現在の猟奇殺人事件が繋がるミステリ小説です。
主人公の探偵・晃平と、幼馴染の彗との凸凹バディ系ミステリで、ライトノベルのような軽い雰囲気とキャラの濃さに反し、登場人物たちの過去は重いし、事件もグロテスク。全体的に暗くてなかなかに後味悪いです。
身内が犯罪に巻き込まれた時、理解できないと分かりながらも、「何故」を考えてしまうものかもしれない。人は理解できないものを恐れるものだから。
分からないものを理解したいとか、すごいと言われたいとか、内に秘めたそんなささやかな気持ちの向かう先が少しずれただけで、たやすく人は道を踏み外すものなので、折に触れて自らを省みていかないといけないなと思います。
周囲がもうバケモンだらけなので、主人公と刑事の鯉沼さんの普通さ・善良さが際立って数少ない癒しでした。いい人だ……。幸せになってほしいな。