あらすじ
「朝、目覚めたとき、そこにあるのは昨日とは別の世界です」自閉症の作家・東田直樹が25歳のときに綴った一年間の日々の記録。単行本『絆創膏日記』を再編集の上、新しいコラムや詩を増補。
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Posted by ブクログ
新年の1冊目。
東田さんの本は最初の「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」以来2冊目
最初の本には大きな衝撃を受けた
え?自閉症の人もこんなに色々考えているの?ちゃんと自分のことをわかっているんだ!という驚きでいっぱいだった
その本は世間にも衝撃と驚きをもたらし、世界的なベストセラーにもなりましたね
その後東田さんは次々と本を出され、この「僕の毎日」は25歳の時に書いた一年間のエッセイをまとめたものになる(現在は32歳)
今回久しぶりに読んで感じたのは、彼の豊富な語彙と知識、そして詩的な表現の豊かさ
パニックに陥ると自分では抑えることが出来なくなったり、身体が自分の意思とは違う動きをしたり、突然大声を出してしまったりすることもあるのに、頭の中では冷静に自分を分析し、自然の神秘に感動したりしている
例えば、元旦に初詣に行った時のこと
賽銭箱におさい銭を入れたあと、
「僕の願いは、後回しでいいです」と神様に伝え、
太陽の光が数本、真っ直ぐに地面に降り注ぎます。
僕は光をつかむように、片手を差し出しました。光をさえぎっている手のひらが、ぽかぽかします。かざした手の温もりを、自分の頬っぺたで確かめます。
頬っぺたが神様の体温になりました。
彼が自分を表現する術を得たことによって、私たちは未知の世界を教えてもらった
本当に素晴らしい成果だと思う。