【感想・ネタバレ】むけいびとのレビュー

あらすじ

岩手県一関市が生んだ偉人を描く歴史長編小説!

刑法思想の根本原理を論じた『無刑録』の
著者・芦東山の“ブレない”人生!!

江戸時代中期、刑が無くても犯罪が発生しないような理想の世を求め、
仙台藩儒学者・芦東山が23年にも及ぶ幽閉生活の中で著した『無刑録』。
刑罰は犯罪に対する報復だとする応報刑論が主流だった当時、
人間尊重の立場から犯罪者を更生させるための手段との
教育刑論を唱えたこの書は、近代刑法論書の先駆けとなるものだった。
逆境を乗り越え、己の考えを貫き通した生涯とは―ー。

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Posted by ブクログ

熊谷達也『むけいびと 芦東山』潮文庫。

仙台藩の奥地、磐井郡渋民村に産まれた仙台藩儒学者の芦東山の人生を描いた歴史人物小説。

熊谷達也は『仙河海サーガ』をはじめ、気仙地方や両磐地域を舞台にした作品を多く書いている作家である。

芦東山の出生地の磐井郡渋民村は、現在の岩手県一関市大東町である。自分は10年程前まで一関市に30年余り住んでいたのだが、芦東山という人物は名前すら知らなかった。

なかなか面白い作品だった。江戸時代に磐井郡の渋民から学問を極めるために徒歩で仙台、さらには江戸、京都へと足を運ぶことは並大抵のことではなかったろう。

今も昔も変わらずに真っ直ぐに信じることを貫くことは難しい。

幼い頃から知に秀でながら、余りにも真っ直ぐな性格であるが故に周囲と衝突しながらも、儒学者となり、23年にも及ぶ幽閉生活の中で、刑法思想の根本原理を論じた『無刑録』を著した芦東山の人生が描かれる。

本体価格900円
★★★★

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2024年08月22日

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