あらすじ
鶴見京介は、裁判所を出たところで司法研修所の同期生で弁護士の的場成美と偶然再開、二か月前に起きた強盗殺人容疑の栗林の弁護についてアドバイスを求められる。栗林は、闇バイトで強盗に入ったことは認めたが、殺害は否認。バイト仲間のイチローが殺したと主張するも、その男の存在が証明出来ないという。一方、鶴見は撲殺事件の容疑者の弁護を引き受ける。半グレだった被害者を調べると、栗林の事件と繋がりが……。“愛”という魔物が生んだ凶行の真相とは!? 大人気! 鶴見弁護士シリーズ最新作!!
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Posted by ブクログ
この物語は、二つの事件が絡みながら進む。
⚫︎その一つの事件が⋯
資産家の老齢女性をハンマーで殺害し、800万円を盗んで逃走した事件で、栗林24歳の男が逮捕された。
警察は栗林の単独犯行としているが、栗林は闇バイトに応募し、初対面のもう一人の男と指示役に命じられるままに押し入り、もう一人の男が老婆を殺害したと主張している。
⚫︎もう一つの事件が⋯
清楚な美人である中越ちづえが一人でバーで飲んでいると、明らかに堅気ではない男から声を掛けられる。
彼は今川修三と名乗り、付き合っていた彼と別れて良かったと一方的にちづえに語る。
今川は、元彼が別の女とこのバーで飲んでいる姿を見ていたと話す。
今川は、ちづえの相手となる風体の男ではなかったのだが、何故かちづえは強く惹かれるものを今川に感じ、その後に相思相愛の関係に進展する。
二人が幸せの絶頂期の時期に、今川はちづるに会いに向かう途中、轢き逃げにあって死亡してしまう。
轢き逃げ犯の手がかりは全くなかった。
鶴見は二つの事件が微妙に絡んでいることを調べ上げる。
この二つの事件の解決を果たすものは、ちづえと今川の強い絆がもたらすものだった。
男女関係に疎い鶴見京介弁護士が、ちづえと今川の恋心を読み切ったところがこの物語の肝となっていた。