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Posted by ブクログ
犬捜し専門調査事務所に舞い込んだ謎は、女性の失踪と古文書解読。
紺屋と半吉、対照的だが通じる部分もある二人の視点が交互に移り変わっていく。
一見地味な二つの謎が少しずつ解かれ、繋がるさまはやはり本書の醍醐味だろう。
〈デュプリケート〉、〈マーチヘマ〉、絵葉書、住民票、『戦国という中世と小伏』などなど、伏線回収も見事。
返却のタイミングで、間壁がいつ攻めにくるかをコントロールしていた、というのには脱帽。
「自衛」が本書のテーマだそう。
城を築き、略奪者に自ら立ち向かう農民たち。
ネットストーカーを操り、罠へと誘い込む桐子。
そして桐子の自衛は成功する。
紺屋は、桐子の「自衛」から身を守るため、番犬を買うことを決めた。
文句が一つもない。余韻に浸りながら、タイトルとサブタイトルを見返し、さらなる余韻に浸る。
Posted by ブクログ
終わり方が好き。
古文書の解読と、行方不明の女性の捜索の交互に展開されるが、チラッと2つの事件の接点が見え隠れする。屋根裏まで行った時に流れがハッキリして、すっきりした。ストーカー側の悪質具合は犯したの一言や、粘着質なコメントの例くらいなので、もっとあっても良かった。
Posted by ブクログ
16年前に書かれた小説だけど、今の世の中ではもうこう言うことがよくあることになってしまってるのが恐ろしい。早くネット関連の法律をしっかり整備していかないとこんなかんじで復讐してしまう人、いるんじゃないか、と心配してしまう。
しかし氷菓シリーズでもそうだけど、米澤さんは日常の中の謎を面白く書くのが天才的。
Posted by ブクログ
読みやすかったし面白かった。直近で読んだ「叫びと祈り」よりも断然こっちの方が文章も物語の展開の仕方も好きだった。最初軽快に進んでいたストーリーがまさかああいう終り方になるとは思っていなかった。テンポ良くコミカルに描かれる物語にきっとスカッと爽快に事件が解決してデコボココンビ2人がこれからも予期せぬ事件を解決し続けていく、シリーズ作品的なそんな感覚で捉えていたけど、そういうフィクショナルな単純にキャラクタライズされた話ではない終り方だった。ので、こう、どう気持ちを持っていって良いか分からないところはある。急にハシゴが外れた感じ。でもそれも含めて面白かったのでもうちょっとこのもんもんとした読後感についてぐるぐる考えようと思った。ハンペーリテラシー高すぎぃ。桐子さん怖すぎぃ。
Posted by ブクログ
一見全く関係ない2つの依頼が、思わぬところで交わり、最後に全ての答えに繋がり、伏線が回収されて行く展開はとても面白かったです。
最初と最後で全く違う意味だが、「犬はどこだ」なのが洒落が効いていると思いました。