あらすじ
フリーカメラマンの葉子は36歳の時に離婚。子どもはなく、東京のマンションに1人で暮らしていた。葉子は仕事先の編集者、杉浦と不倫関係にあったが、時を違えて甥と姪が長野からやってくる。2人の父親、葉子の兄は癌を患い闘病していたが、2人はそれぞれ事情を抱え、実家を出たいと強く願っていた。――日々の生活で次々と起きる問題に直面し、様々な感情に揺れる葉子。今では空き家となり、朽ちた故郷の家に思いを重ね、過ごしてきた時間の中で徐々に積もっていった「心のしこり」と向き合う。
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Posted by ブクログ
他人は煩わしいけど、独りは寂しい。
過去を切り捨てたいけど、情や世間体に振り回されて切り捨てきれない。
腹の立つ相手をやり込めたいけど、勇気がないのかめんどくさいのか、それができない。
ゆらゆら揺れ動いてはっきりしない、そんな主人公に少し共感してしまう。
モヤモヤしながら読んでたけど、最後は自分のスタンスをしっかり定めて進んでいったのにはすっきりした。
Posted by ブクログ
おそらく最初の風景の感じを引っ張りながら読み進めるからなのか、ずっとイメージが灰色だったけど、ほんとに最後の数ページだけ、すこしだけスッキリな感じに変わった様に見えたのはよかった。
時間的には短いのに、ちょっと長かった。どう着地するのか分からなかったので、気になり最後まで読めたけど、終始、葉子さんの似たりよったりな思いが何回も出てくる印象が強かった。
どんなに大変な出来事も、自分以外には誰にも正確な気持ちは計り知れないとは思うけど、さらに葉子さんのフィルター越しで読むので葉子さんの好き嫌いが反映されすぎて、他の人達の心情とかがさらに薄くしか見えない感じがした。
うーん、最後まで読めた、で私は終わってしまったので、ちょっと残念。読み込む力が必要なのかな。