あらすじ
気候変動が環境を激変させている現在、生物はこの危機にどう対処しているのだろうか?
温暖化に直面したクマはサケを食べる行動を変え、イカは小さいサイズで成熟するよう変化し、トカゲはハリケーンのときに木にしがみつけるように指を変化させた。生物は座して絶滅を待つのではなく、多彩な戦略を駆使して生き延びているのだ。
ストーリーテラーとして定評のある生物学者が、柔軟に変化する動植物の姿を通して、気候変動にどう向き合うべきかを教えてくれる、危機と希望の物語。
【本書への推薦の言葉】
まさに絶滅が迫っている。だが絶望して嘆く前にこの本を読むべきだ。いつでもそうであるように、生物は新たな道を見つけている。
――ダン・フローレス(作家・歴史家、モンタナ大学名誉教授)
地球温暖化の生物学に関する非常に重要な考察を、ハンソンならではの知的かつ明晰な美しい文章で読むことができる。
――ロバート・マイケル・パイル(『ビッグフットの謎』著者)
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Posted by ブクログ
なかなか難しくて読み進めるのが大変だったけど、だんだんと集中してきて読み切れた。温暖化だけではなく、有史時代においても小氷期などの寒冷な期間があったことも初めて知ったし、生物だけでなく植物までもが移動などの戦略をとっていること、そして人間の移民などにも温暖化の影響があることを知った。昨今温暖化に関するニュースも増えて、ネガティブな印象や危機感を感じることが増えたが、温暖化は今後数十年確実に進むのであれば、もうダメだと嘆くのではなく、できることをそれぞれが行い文化を変えていく、もしくは生物たちの戦略を面白く前向きに眺めていきたい、そう思える本だった。