【感想・ネタバレ】生命活動として極めて正常のレビュー

あらすじ

「男ばかりの老人ホームで、姫として君臨するおじいさんが、全然なびかないおじいさんを落とそうとする話」、「人が死んでも、書類がどんどん発行されて出来事が流れるように処理されていく会社の景色の話」、「顧客としての人間が評価されるシステムができたという未来の仕組みの闇に取り込まれた青年の話」……。誰も考えなかった「if」の世界が、ここにある。カクヨム発! 抱腹絶倒の後、強烈なオチが待ち構える珠玉の短編集。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

どれも来なかったであろう近未来を描いたSF作品が多く、デッドパンな文脈がシュールで面白いし、世にも奇妙な物語っぽい。

「バズーカ・セルミラ・ジャクショ」はある種一番SFっぽく、星新一のような雰囲気。
長編になる「老ホの姫」も近未来の話で、Y世代が老人になる頃には老人ホームでモー娘。やEXILEが流れているのでは?という仮説を具現化したようなストーリーで、同時に"姫"という概念までもが老人世代に継承されているというものである。オチも良い締まり。
書き下ろしとして収録されている「命はダイヤよりも重い」が気に入った。ドラマを見ているような気分になるし、シリアスとギャグの塩梅が程よい。

全体的にパラレルワールドの現実世界を描いたように思えることが多い(「踊れシンデレラ」を除く)。個性的なキャラが多く、しかも謎の感嘆符や発声をすることが多い。また、作中の世界の中で読者側の世界の法律や学問やらの専門的知識の注釈が入ることによって、あくまで書籍内の世界は現実の日本の別世界での話であるという推測がよりリアルに感じられる。

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2024年11月30日

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