【感想・ネタバレ】生命活動として極めて正常のレビュー

あらすじ

「男ばかりの老人ホームで、姫として君臨するおじいさんが、全然なびかないおじいさんを落とそうとする話」、「人が死んでも、書類がどんどん発行されて出来事が流れるように処理されていく会社の景色の話」、「顧客としての人間が評価されるシステムができたという未来の仕組みの闇に取り込まれた青年の話」……。誰も考えなかった「if」の世界が、ここにある。カクヨム発! 抱腹絶倒の後、強烈なオチが待ち構える珠玉の短編集。

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Posted by ブクログ

老ホの姫だけもう何回も読んでしまう。
短編集でそれぞれ全く違う世界観でどれをとっても面白いけど、特に老ホがいいですね。

老人ホームで姫の座をかけて爺たちが戦うって話で、想像するとただの地獄絵図!奇妙な話なのにアイドルは渡さないと粘る現姫と新生アイドル候補がラストに一騎打ちするのが意味わかんないくらい面白い。

あとは踊れシンデレラもかなり良かった。
舞踏会でのダンスを甲子園に見立てて、シンデレラがめっちゃ練習するって話。
魔法使いが踊りの特訓を勝手にやってて、シンデレラが高校球児みたいな返事しかしない。
ちょうどいま甲子園やってるからタイムリーですね。
地元で何故か練習に勝手に付き合ってくる爺はどの分野にもいるんやなと安心。

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2025年08月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

どれも来なかったであろう近未来を描いたSF作品が多く、デッドパンな文脈がシュールで面白いし、世にも奇妙な物語っぽい。

「バズーカ・セルミラ・ジャクショ」はある種一番SFっぽく、星新一のような雰囲気。
長編になる「老ホの姫」も近未来の話で、Y世代が老人になる頃には老人ホームでモー娘。やEXILEが流れているのでは?という仮説を具現化したようなストーリーで、同時に"姫"という概念までもが老人世代に継承されているというものである。オチも良い締まり。
書き下ろしとして収録されている「命はダイヤよりも重い」が気に入った。ドラマを見ているような気分になるし、シリアスとギャグの塩梅が程よい。

全体的にパラレルワールドの現実世界を描いたように思えることが多い(「踊れシンデレラ」を除く)。個性的なキャラが多く、しかも謎の感嘆符や発声をすることが多い。また、作中の世界の中で読者側の世界の法律や学問やらの専門的知識の注釈が入ることによって、あくまで書籍内の世界は現実の日本の別世界での話であるという推測がよりリアルに感じられる。

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2024年11月30日

Posted by ブクログ

奇想のSF短編集。ギャル、老人、体育会系、AI、既存の価値観、それらが混じって逆転しながらストーリーが進みます。超展開でありながら読ませる技術が確かにある。異色短編、奇想のSFが好きな方におすすめしたい刺激的な一冊。これは面白かったです。

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2024年07月02日

Posted by ブクログ

短編集。ずっと軽く読んでいたのに最後の「命はダイヤより重い」が刺さった。人を轢くたびギャル短歌が淡々と書かれて主人公の感情が見えてこないからこそラストが際立って良かった。
ほか、「老ホの姫」「手のかかるロボほど可愛い」が好き。

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2025年10月03日

Posted by ブクログ

玉石混交って感じ?
面白くないのかと思ってると、次には爆笑してるんだが
ギャル短歌やばい
明日は我が身っぽい、「老ホの姫」はむしろ入所した時の立ち回りの仕方を教えてもらった感じ

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2025年08月21日

Posted by ブクログ

すごく好きな味!こういうお話を読みたかったんですよ私は。と嬉しくなる一冊。
バズーカ・セルミラ・ジャクショ
とんでもなくディストピアな世界観にとんでもないおふざけをぶつけたみたいな話なんだけど、当事者からしたら何もかものっぴきならない大問題なわけで、なんだよこれ…って言いながらもどうにか生きていかなくちゃいけなくて。最後には勇気がもらえる、不思議な読後感。

命はダイヤより重い
みんな他人のことなんて分かりませんよね、勝手に分かったような気になってるだけで。というのをこんな形で出されたら大好きになっちゃうよ〜。
作中のギャル短歌が本当に本当に好きで、これで一冊出してほしい。本当に。

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2024年11月04日

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日常とはちょっと違う世界線の日常を描いた7編。
村田沙耶香とか好きな人は好きかも。(私は好き)
パパピッピの語感の良さよ笑

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2024年05月06日

Posted by ブクログ

著者のネット上の文を見ていて興味があったので手に取った。
しかし、紙の本でこれらの文を読むには、私には修行が足らなすぎたらしい。
どうも、縦書きや紙の本と相性の良くない文に思える。
たぶん、モニター上で横書きで読んだら笑えたんじゃないかなと思えるところがいくつもあったが、紙の本でみると、ただ、奇をてらった文に見えてしまい、素直に入り込めず、内容を完全には咀嚼できずに終わってしまった。

面白いと思えたのは、老ホの姫と、踊れシンデレラかなあ。

これがネット文学なのかな…と勝手に決めて読み下した次第です。
(単にSF免疫が無いだけか)

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

第1回北上次郎面白小説大賞受賞作。ということで、即買い。令和の(コンプラに配慮された)筒井康隆といった感じ。

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2025年09月03日

Posted by ブクログ

近未来をシニカルに語った短編集という内容と思います。
表題「生命活動として極めて正常」は、殺人が許容される社会環境を描いた内容。ごく一般の特段善良でも悪人でもない人物による、理由なき行動の狂気が語られているように思いました。
全般通じて不思議な印象。面白いと思いましたが私個人は強く惹かれる内容でもありませんでした。星3つといたしました。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

作家が本気でふざけたら面白いに決まっているという作品がつまった短編集7編。どのストーリーもちょっと不思議で独特の世界観だけれど、ほっこりしたり感情移入したり物語にもちゃんと入り込めやすい。こんな内容で書かれたら笑わざるおえないよねと気持ちの良い読後感でした。

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2024年05月04日

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