あらすじ
世界93カ国の観光地から危険地帯まで、様々な場所を歩いてきた著者が、各地で遭遇したウザい客引きやしつこい詐欺師、ぼったくりタクシーや不審な旅行者にキレた数多の体験から厳選したエピソードを集めた一冊。腹を立てながら世界を巡る姿は滑稽ですらあるが、そんな思いをしてなぜまた旅に出るのか? 海外旅行の表から裏まで、「ホントのところ」を書いてきた怒れる旅作家・嵐よういちの真骨頂。
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Posted by ブクログ
世界中でのブチギレエピソードを知りたくて読書。
他とはテイストが異なる第1章 新疆ウイグル放浪記は、現状の「天井のない監獄ウイグル」のリアルに背筋がゾっとさせられる。
ブチギレエピソード集の最後を飾る第5章のペンション荒木物語は、人間模様が穏やかで感傷的なヒューマンストーリーとして読ませてくれる。
年代も訪れた国も様々だが、上手に構成されていて違和感なく読むことができる。
海外旅行経験が少ない人でも数々のブチギレエピソードは笑えるネタ満載。
著者とその旅仲間の実体験による旅の地雷エピソードを滑稽さに包み、ユーモラスに描き楽しませてくれる。
旅はトラブル続きでブチギレることの宝庫。それが、旅をおもしろくし、人生の豊かさを実感させてくれる。だから旅はやめられない。
読みながら過去の旅でのトラブルを思い出していた。
トラブル(Trouble)がトラベル(Travel)の語源であると聞いたことがある。
トラブルに遭った当時は、怒りや苦痛、嫌な思いをした。しかし、そのおかげで、今でも鮮明に覚えている。問題だらけだった旅ほど良い経験としてして記憶に刻まれている。
旅が人生を心豊かにしてくれ、大切なものを教えてくれ、自分にとっての幸せとはを再認識させてくれるのだろう。
本書は、旅好きならグイグイと巻き込まれるように一気に読める。
読書時間:約1時間55分