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Posted by ブクログ
世界中でのブチギレエピソードを知りたくて読書。
他とはテイストが異なる第1章 新疆ウイグル放浪記は、現状の「天井のない監獄ウイグル」のリアルに背筋がゾっとさせられる。
ブチギレエピソード集の最後を飾る第5章のペンション荒木物語は、人間模様が穏やかで感傷的なヒューマンストーリーとして読ませてくれる。
年代も訪れた国も様々だが、上手に構成されていて違和感なく読むことができる。
海外旅行経験が少ない人でも数々のブチギレエピソードは笑えるネタ満載。
著者とその旅仲間の実体験による旅の地雷エピソードを滑稽さに包み、ユーモラスに描き楽しませてくれる。
旅はトラブル続きでブチギレることの宝庫。それが、旅をおもしろくし、人生の豊かさを実感させてくれる。だから旅はやめられない。
読みながら過去の旅でのトラブルを思い出していた。
トラブル(Trouble)がトラベル(Travel)の語源であると聞いたことがある。
トラブルに遭った当時は、怒りや苦痛、嫌な思いをした。しかし、そのおかげで、今でも鮮明に覚えている。問題だらけだった旅ほど良い経験としてして記憶に刻まれている。
旅が人生を心豊かにしてくれ、大切なものを教えてくれ、自分にとっての幸せとはを再認識させてくれるのだろう。
本書は、旅好きならグイグイと巻き込まれるように一気に読める。
読書時間:約1時間55分
Posted by ブクログ
著者の嵐よういちさんは、30年以上前からバックパッカーとして世界の90ヵ国以上を旅しており、多数の著作がある旅行作家だ。本書のテーマは、ずばり「ブチギレ」。これまで旅してきた国々で遭遇した、腹の立つ出来事をオムニバス形式で紹介する。
会計待ちの列に颯爽と割り込んでくるウズベキスタン美女、機内で一斉に痰を吐き始めるインド人の集団、ホテルの喫煙所を地獄のように汚す中国人たち、ホーチミンのぼったくりタクシー、イスタンブールの靴磨き詐欺などなど…
最初の美女を除いて(笑)、毎回キレ散らかす嵐さんの文章は読んでいて痛快だ。自分の身に起きていたらとても笑ってなどいられないが、他人の体験談としてはこの上なく面白い。
行く先々で嫌な目に遭っても旅することをやめないのは、そこでしか得られない何かがあるのだろうと想像する。嵐さんが訪れる場所は、観光地として綺麗に整備されたところではなく、治安の悪い場所や、哀しい歴史の痕跡を色濃く残す場所、現在進行形で虐げられている人々が暮らす場所が多いようだ。
「新疆ウイグル放浪記」と題した第一章は、中国政府によるウイグル族への抑圧が続き、「天井のない監獄」と称される現地の様子を知ることができる貴重な資料だ。過去原稿を再編した他の章とは趣を異にしており、たぶん嵐さんはこれを出したくてこの本を創ったんだろうなと思う。
かといって、二章以降が面白くないわけではない。世界中のどこでも差別は存在していることを、身をもって教えてくれている。小学校で「差別はいけない」と習ったけれど、自分が差別される側になることにはまったく想像力が及んでおらず、エジプトのカイロでアラブ人の集団が嵐さんら日本人を執拗に差別してきたというエピソードを読んで、かなりショックを受けた。
あまり旅行に出かけない私が海外を旅することは、今後もおそらくないだろう。ただ、世界で何が起きているのか、貧しい暮らしを強いられ悪事に手を染めざるを得なかったり、虐げられ明日を生きる希望も失いそうでも懸命に生きている人々がいることに、想像力をはたらかせていたい。
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