【感想・ネタバレ】共謀小説家のレビュー

あらすじ

「女が書いたものなんざ」――日本の文壇にまだ女性の書き手が少なかった明治時代。小説家になることを夢見る十七歳の宮島冬子は、当代一の文学者・尾形柳後雄のもとで女中をしながら執筆に励んでいた。同じ志を持つ男弟子たちが次々と世に出ていく一方、冬子は家事に追われてなかなか筆が進まない。焦りを感じる冬子はある日、尾形からおぞましい誘いを受けて……。女性の直面する社会的な困難を克明に描き、己の道を歩き続ける強さに胸を打たれる。現代を生きる私達に寄り添う、勇気と希望の湧き立つ傑作長編。

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Posted by ブクログ

今まで読んだことがある本と結構違うので、結局読むのは楽しかったです。面白いところがあったし、すごく嫌なところもあったんですが、最初の気持ちと最後の気持ちが変えました。本の後半のおかげで、2.5⭐️から4⭐️になりました。なんかどうしてかわからないけど、(英語で)「吾輩は猫である」を読んでいた時と同じ気持ちになって、女性の側から話を聞くのは好きでした。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

蛭田亜紗子『共謀小説家』双葉文庫。

先に読んだ『凛』『エンディングドレス』がなかなか良かったので、気になる作家として心に止めていた。『共謀小説家』とは一体どういう小説なのか、興味深いタイトルである。

読んでみれば、明治時代の小説家をモデルにした不思議な夫婦関係を描いた文壇小説といった感じだった。小説家が創作することの難しさ、小説家として大成するために犠牲にする物の多さが描かれる。何とも言えない結末であった。

明治時代、小説家になることを夢見て、愛知県から上京した17歳の宮島冬子は小説家の尾形のもとで、女中をしながら執筆に励む。ある時、尾形の強引な誘いで、ただならぬ関係となった冬子は身籠ってしまう。

そんな冬子に尾形の弟子である九鬼春明が『共謀しないか』と持ち掛け、二人は結婚することになる。結婚してみれば、春明は悪い酒を嗜み、自堕落な放蕩三昧の生活を送り、平気で連載作品の執筆の締切りを破ったり、弟子の作品を代作として出版社に渡す始末だった。

本体価格780円
★★★★

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2024年04月13日

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