【感想・ネタバレ】死なないための暴力論(インターナショナル新書)のレビュー

あらすじ

「暴力反対」とはよく聞くけれど、じつは世の中は暴力にあふれている。国は警察という暴力装置を持っており、問答無用で私たちから徴税する(そして増税する)。資本主義は、私たちを搾取し、格差を生み出す。家父長制は男性優位・女性劣位のシステムをつくりあげる。一方で、こうした暴力に対抗して、民主化や差別の撤廃などを成し遂げてきたのも、また暴力である。世の中にあふれる暴力には、否定すべきものと、肯定せざるをえないものがあるのだ。思考停止の「暴力反対」から抜け出し、世界の思想・運動から倫理的な力のあり方を学ぶ。

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Posted by ブクログ

「非暴力」という言葉になんとなくモヤモヤしてたので読んだ。
非暴力と言われているガンジーや、キング牧師もその一面として非暴力があり、完全非暴力ではないことを知った。もちろん暴力は避けて通ることが望ましいのだが、じぶんの命を守るためには権力に対して戦術的に暴力をちらつかせることは肯定できると思った

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

人を傷つける気はさらさらないが、権威やヒエラルキー的な構造には常に疑いの目を向けていたい。それは、自分にとって正当な暴力になり得るかもしれない。

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2024年08月01日

Posted by ブクログ

2024.7.21
国家権力は暴力
徴税、警察
暴力はいけない。→何なのか?
2023年税収は過去1
強制接 摂食と言う暴力

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2024年11月02日

Posted by ブクログ

めちゃくちゃ面白いじゃん!
所謂僕らが想像する『暴力』とは分けて考えておいた方が良いけど,思想として,ワクワクするじゃないか!Rockだねぇ!
そして,所謂正統派のcommunismって,Anarchismとすごく近いところにいるんだなぁって言うかそうだと思ってたの,Anarchismだったんじゃん?と.
ソ連や中国の「共産党」という名のクソみたいな紛い物の悪魔にとんでもないクソイメージを世界中にばら撒かれて,アメリカはじめ資本主義のクソ野郎共に拡大再生産され続けた結果,今や見る影もない,死に体の,いや,お前はすでに死んでいる状態のcommunismは,地べたのAnarchismに変装して生き続けているってことなのかねぇ?
誰かに手を差し伸べること,差し伸べざるを得ない心,それこそが社会の「基本」であるって考えたら,もっと人は繋がれるし,闘えるんじゃないかと,そんな清々しいまでの青臭い情熱が蘇ったりして,久しぶりにスカッとした気分で眠れるわ!

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2024年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大変おもしろく読んだ。

端的に言って「否定すべき暴力と、肯定せざるを得ない暴力がある」というのが本書の主張である。
その通りだ。その通りであるのだが、ここには重要な前置きが必要である。それは主にヒエラルキーの話だ。ヒエラルキーの上からの暴力と、下からの暴力では、その意味合いはまったく異なる。
また、「国家対国家」というレイヤーにこの暴力論を当てはめるのも大変危険である。それはともすれば、軍拡競争につながるからだ。

著者の専門はアナキズム。そう言われれば、本書における暴力の目線がわかるだろう。権力への抵抗である。非暴力を貫いた先に民衆の破滅があるのなら、一時的に、限定的にでも暴力を扱う、あるいはちらつかせる必要に迫られる。それは本書で紹介されるアパルトヘイト撤廃への道のりの例が大変わかりやすい。
当初、マンデラたちは非暴力で訴えるが、どれだけ言っても抵抗しても何も変わらない。しかしその間も、人種差別という暴力がやむことはないのだ。ヒエラルキー上位からの暴力が常態化している。それを当たり前のことと強制される。ならばどうするか、非暴力を貫いて殺されるのか。そんなことはできない、びびらせてやるしかない。

翻って、現代日本で行われるデモは、権力者たちをびびらせられているのだろうか?と著者は疑問を抱く。実際、びびらせられてなんていないだろう。もちろん無意味とは言わないが、実効的とも言えない。
私たち民衆は、個人としては人に優しく非暴力的である方がよい、と個人的には思う。
しかし、ヒエラルキーとその上位者たちによる暴力(法律、警察、税金)を考えた時、優しく非暴力の態度だけでは足りない場合があるだろう。それは言ってしまえば「聞き分けのいい、都合のいい弱者」になりかねない。

難しい。
暴力の必要性はおおいに納得できたが、これにかこつけて、日本も核爆弾持つしかない、なんて意見を助長されたとしたら困る。当然本書の著者がそんなことを微塵も考えていないのはわかるが、「かこつける人たち」はきっといる。そこに対しては、毅然とした態度で向き合うしかない。難しい問題に対し、単純な解法を当てはめてはいけない。難しい問題を難しいままに扱うこと、個別の問題を個別のままに扱うこと、そういった面倒なやり方をするしかない。そこを横着してしまうと、悲惨な目に遭う。かといって放置しても、ヒエラルキー上位からの暴力は止まない。

本書の内容とはズレるが、権力者あるいはヒエラルキー上位の視点に立つなら、「ヒエラルキー下位のものたちに、暴力を受けていると認識させない」ことが重要になるだろう。当たり前なんだよと認識させる。それどころか、「私たちに非があるから」「弱肉強食だから」「効率的だから」、仕方ないよねと被差別者/社会的弱者たちが自発的に思ってしまうような社会構造を作ってしまえばいいのだ。
それが、今の日本である程度成功してしまっていることは、いうまでもない。

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2024年08月06日

Posted by ブクログ

アナキズムの入門書としてまとまっていると思いました。
やっぱりグレーバーの影響力って大きいですね。亡くなったのがとても残念。
まずは誰のために「働いている」のかってところを再考すべきだと思うのですが、皆さんあんまり疑問を持っておられないようで・・ 資本主義は生き残りのためにますます一極集中に邁進し、人々に負債を押しつけて搾取を続けていくのでしょう。子ども食堂のような相互扶助のシステムを評価しているようなふりをしながら、それらがコミュニティーセンターとして機能するようになれば潰しにかかるかもしれません。いかにして地方に分散した拠点を作るか、ですかね。

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2024年04月06日

Posted by ブクログ

暴力反対!
非暴力以外は認めない!と短絡的に考えてしまう方は、プーチンのウクライナ侵攻を止めるために、国家と国民を差し出せば良いと考えているのだろうか?

暴力とは何か?
一般論として、いまは腕力により他者に害をなすことだけが暴力だと考えている人は少ないと思う。
でも、短絡的に暴力は良くないと考える人は多いような気がする。
プーチンの侵攻に対して闘う武力の行使は、暴力なのか?
イスラエルのガザ侵攻は、暴力なのか?
国による国民財産の強制的な剥奪(税ともいう)はどうか?など、現実問題として人類の歴史の中で綿々と続く暴力について、歴史、過去の議論を踏まえ考察する。
暴力反対と安易に考える人は、暴力とは何かをまず考えるべきだと思う。

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2024年04月04日

Posted by ブクログ

どこかの書評で見たのと、帯のコメントに惹かれて。暴力と聞くと、反射的に”反対!”って思い浮かんでしまうクチなので、書店で見たときはちょっと敬遠してしまったんだけど、そういう短絡的な判断は良くないな、と改めて。当たり前なんだけど、暴力全般を是としている訳もなく、理不尽なハラスメント的力に対して、最低限の力は必要だよな、って話。両方向を”暴力”で表してしまうから分かりづらいのであって、上からの”暴”力に対し、下からは”防”力とでも記せば、意義が分かりやすくて良いのかも。今書きながら思いついたんだけど、なかなかのナイスアイデアだな、これ。

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2024年03月27日

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