【感想・ネタバレ】井口ビジョンのレビュー

あらすじ

プロ野球では日本一、メジャーリーグでは世界一を経験し、ロッテ監督就任後は佐々木朗希らを育てた。
各場面で井口は何を想い、考え、見据えてきたのか。そしてこの先は――。ユニフォームを脱いで初の著書で赤裸々に綴る。

「幻の2試合連続完全試合」で佐々木朗希はなぜ降板したのか?/王貞治、ギーエン両監督から学んだ勝利哲学
電撃トレードの後に掴んだ2度目の世界一/42歳まで戦力でいられた理由/監督辞任を決めたのは最終戦の試合直前……

【目次】
はじめに
第1章 王道よりも自主性――プロになるまでのビジョン
第2章 挫折と成長で広がった世界――プロ選手としてのビジョン
第3章 環境整備と意識改革――監督としてのビジョン1
第4章 リーグ最下位から目指す常勝軍団――監督としてのビジョン2
第5章 世界王者・日本が果たすべき役割――未来へのビジョン1
第6章 100年先も野球が愛されるように――未来へのビジョン2
おわりに

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Posted by ブクログ

ダイエー、メジャー、ロッテでプロで活躍し引退後は5年間ロッテで監督として率いた井口資仁氏の自身の野球選手としての半生とこれからの野球界への想いなど自身のビジョンを書いた一冊。


兄の背中を追いかけた幼少期から國學院久我山高校、青山学院大学と歩んだ学生時代、オリンピックでの経験を得てプロ入りしてからもレギュラーを獲得するため島田コーチからの助言でタイトルを取ることに邁進したことや金森コーチの打撃理論や森脇コーチからの二塁へのコンバートなどプロ生活において地位を築くために色々なターニングポイントがあったことも本書で知ることができました。
また、メジャーでのチームに徹するバッティングを行った経験やトレードで得た考え方などは後のロッテでの選手、監督生活に役立ったものだとも感じました。
そして、自身がプロ入団時に掲げたトリプルスリー、2000本安打、40歳までの現役という二つは達成することをできた要因を知ることができました。

監督としては環境整備と意識改革をフロントを巻き込んで行い低迷していたチームを
理念やBRANDBOOKなどで向かうべき方向を球団に関わる全ての人が共有したことも印象に残りました。
また野球評論家として離れた立場から采配やプレーの深層に迫ることで自身の野球観を深めていることやピッチクロックなどメジャーでのルール改正の是非や国内でも議論となっているDH制を両リーグで導入する動きなどについての自身の見解も知ることができたのも興味深いと感じました。

高校、大学と自分で考える環境に身を置いたことで窮地に立った時の立ち直り方を学べたことや王監督の素顔など氏でしか知らないエピソードも知ることができました。

制約の多い環境や王道を選ばずにプロの世界で生き抜いてきた著者の経験を後世に伝えてもらいたいと感じるだけでなく、未来永劫野球界が繁栄していくために子供達が行える環境を整えることなども考えている氏がこれからの野球界に貢献していく姿が楽しみになる一冊でした。

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2024年12月01日

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