あらすじ
日本社会に跋扈する二匹の“怪物”
近年の政治報道で連日のように見聞きする「そのご批判は当たらない」
「○○の意図はなかった」「コメントを差し控えさせていただく」といった政治家の言葉。
これらは「詭弁」と言われ、相手をあざむくことを目的に使われる議論の詐術である。
詭弁は、「ウソ」と同じく人間社会の理性や良識を食い散らかして壊してしまう怪物であり、
政治の世界のみならず、言論界や我々一般社会をも静かに蝕んでいる。
本書は、近年の政治における詭弁をさまざまな角度から分析・検証し、
“感染”しないための免疫をつけるもの。
大手メディアが権力との戦いを放棄し、大量のウソと詭弁が溢れる時代にあって、必読の1冊である。
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Posted by ブクログ
当たり前のことが書いてある。
が、昔もこの当たり前のことがわからない知識層は居たと思う。
マスメディアが全体最適を考えずに、大衆に分かるように知識の底を抜いてしまったことも、一因としてあると思う
Posted by ブクログ
現職の強みで都知事が再選されたが、
この新書を読むにつれ、
彼女のウェブをにぎわす答弁拒否や言い換えの数々を思い出し、
落選させるべきだったと改めて実感。
政治の劣化だ。
これが始まったのは間違いなく安倍政権。
むろんそれまでの政権も完ぺきだったなんて言うつもりはない。
下品がまかり通るようになったのは安倍政権から。
反知性主義。
この新書で言う「幼稚さ」。
これが批判できないマスコミについても、著者は記者クラブを厳しく糾弾しているが、
それよりもなによりも、こんな詭弁を使う政権政党を許してきた国民が一番責められるべき。
ここにきて統一教会からの裏金と、やりたい放題やっている自民党に地方選挙ではお灸をすえているが、
はたして次の総選挙まで覚えていられるかどうか。
現に、対抗馬の戦略ミスがあったにせよ、東京都知事は三選してしまった。
活きのいい新総裁が出てくればころっとなびく可能性は高い。
対抗勢力もまた既存政党と国民はみなしているから。
その意味では「れいわ新選組」は新しいんだけどなあ、なにかどこかずれてるのかしら?
著者は安倍菅岸田三総理の詭弁を列挙し、
さらに、戦前の「大東亜戦争正当化」について触れ、歴史修正主義の危うさも指摘している。
このまま日本は狂いながら落ちていくのか?。加速主義でゼロからやり直せるのか。
絶望感しかない。孫にいい未来を残したい。
なんとかせねば。
目次
第1部 現代日本社会に蔓延する「詭弁」の事例
(本当はこわい「お答え/説明を控えさせていただく」という詭弁;
説明責任放棄の呪文と化した「丁寧に説明する」という詭弁;
「○○の意図はなかった」と「誤解を与えたならお詫びする」という詭弁 ほか)
第2部 人間の思考を狂わせる「詭弁というウイルス」
(そもそも詭弁とはなにか;
論理的に誠実な議論を台無しにしてしまう詭弁術;
よくある詭弁のパターン1:間違った定義から話を始める;
よくある詭弁のパターン2:論理的思考と情緒的思考のすり替え;
よくある詭弁のパターン3:間違った二項対立と極論への飛躍)
第3部 過去の歴史と現代の歴史認識に見られる詭弁
(日中戦争期と太平洋戦争期の政府発表に見られた詭弁;
現実認識を歪ませ、合理的思考力を失わせる「詭弁の常態化」;
大日本帝国を擁護する詭弁の歴史解釈:歴史修正主義;
日本社会はなぜ詭弁に対してこれほど無力となったのか)
Posted by ブクログ
素朴な疑問だけど、あのような詭弁を見せられた子供達が政治の世界を素直に目指すようになるのだろうか?それともああいうやり方で煙に巻いてしまえばいいんだな。なんていうふうに変な学習をしてしまわないのだろうか
Posted by ブクログ
子供の言い訳のようなウソや詭弁を、大の大人それも政治家などの公権力者が恥ずかしげもなく口にしている。そしてそれに対して主要メディアはほとんど追及をしない。生ぬるくてとても恐ろしい。
政治家の劣化、「問題意識」を忘れたかのような記者たち、そして「批判的思考」などはなから存在しないかのように権力に異常に従順な国民。この三者が一体となってウソと詭弁という怪物を生み育てていると思う。このような状況を看過していると、現在の日本社会も、かつての大日本帝国と同じような窮屈で不自由な社会になるかもしれないという筆者の危惧は十分に理解できる。
Posted by ブクログ
詭弁という言葉に慣れておらず、歴史や政治の例に話があり、私にとっては難しかったです。
相手が言った言葉の額面通りに受け取るのではなく、広い視野かつ客観的に考え、返答や対応していけるようになりたいと思いました。
Posted by ブクログ
いつか、神風が吹くって感じの国になっているという話か。天気予報は、かなり役に立ってるんだけどね。
東大話法にわら人形論法。権力者側にとっては、祝詞でも、神風にならなきゃ、呪詛と変わらないからな。
ほとんど大本営発表のような、大手マスメディアだもんね。マスゴミなんてヌルい次元ではもうないな。
一億総、お公家さんになりたいってか。貧乏公家でもいいからっての、三十年。いや八十年かな。乳母日傘も極まれりだな。禁中並公家諸法度のような安保体制だからね。兵器の飛び交っていない、すごくソフトでゆるいガザ地区になってる感じ。
そのうち、羅生門の世界へご招待ってなことになるのか、嫌だね、こわぁ。
断言、群集心理(ル・ボン)
「ホワットアバウティズム」
何かを問題として論じている相手に対し、一見類似性があるように見える別の問題を引き合いに出して、では何々はどうなのだ?と威圧し、論点をすり替えて混乱させ、相手の話の腰を折って黙らせようとする詭弁術。
どちらも、ネット上で溢れている手法だ。