あらすじ
「ここ…『ファース王国物語』の世界――!?」
大好きな小説の世界に転生したことに気づいたパン屋の息子・ラビィは、幸運にも推しキャラの公爵子息ラファイエットの祖父に気に入られ、小説の舞台となる学院に通うことに。モブに徹して推しの生きて動く姿を堪能するぞ!…そう思っていたのに、彼が親友である第一王子の暗殺騒ぎに巻き込まれて失明する未来を知っているラビィは、なんとか回避しようと画策。その必死で健気な姿にラファイエットも心を動かされて…?
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Posted by ブクログ
とても面白かった。
最初から最後まで、キャラにブレがなく、取ってつけたような都合のいい展開もなく、とても読みやすかった。こういうBL小説は、受けが弱々し過ぎたり、攻めがクールなのに途中からキャラが崩壊したように受けに対する愛情が溢れすぎていたりすることが多く、前者はいいとしても後者は「貴族社会において、周りに人がいるのに平凡な受けにそこまで愛情を向けるのは不審がられる(非難される)のでは?」と疑問を持ってしまうことが多く、読む気が無くなってしまうものもこれまであった。しかし、今回の作品はそういったことはなく、ちゃんと節度を持ってお互い関わっており、最後の攻めの役職関係の話も納得感があり、最初から最後まで一貫していたと思う。そういった矛盾やご都合主義がない話が好きなのでいい話だった。
最後に攻め視点の心情の流れが描かれていたのも、私の好みの展開だったのでとてもよかった。
ひとつ知りたかったのは第二王子ののちの話である。かわいいキャラクターで好きなキャラクターだったので、毒殺未遂のあとの様子も見られたらよかった。
この方の文体が、読みやすくて好みに合っていたので他の作品も読んでみたい。
物語の世界に転生もの
小説主要キャラ高位貴族の令息攻め
小説のファンで攻めが推しの平民モブ受け
主人公の受けは、大好きな小説の世界のモブに転生した設定。
大好きな小説なので、攻めや知り合ったキャラクターたちのためにストーリーを変える事に葛藤を覚える。
キャラクターの苦難を「どうしよう」と結局放置するパターンが何度か続くので、異世界転生もので期待する軽快な爽快感がなく残念。
第一王子と第二王子の確執や関係性もいまいちスッキリしないままだし、主人公と友人になった男爵家の嫡男も存在感がある割に本当にモブで、チグハグな印象。
主人公は自分をモブだと思っているけれど、平民なのに貴族の後見を得て貴族が通う学校に通う時点で主人公ポジションだし、主人公にありがちな攻めの気持ちに鈍感な感じとかもある。
その割にストーリーを変える事に葛藤してなかなか思い切れないので、なんだか全体的に中途半端な印象。
なんとなく、第一王子と第二王子が実は血が繋がってない兄弟(もしくは兄妹)の禁断の近親相姦(風)BL(TL)のスピンオフで書かれた物語みたいな印象だった。
うーん
あんまりラビィに好感が持てませんでした…
原作の世界を変えたくないとか言いながら、短絡的な行動で結果ストーリを変えてるのに、変えるのが怖いとウジウジとしたり、けど結局推しの近くにはいたいからストーリ変えてるし…
中盤くらいまでそんな感じでダラダラ感が否めない…
そしてよくある転生前がそこそこの年齢だからと、やたら自分は常識人だという謎の自信…
なのに、前世での言葉をぽんぽん使ったり、軸がブレブレでなんかなぁ…という感じでした。
だったら、最初から推しを助ける!とかで原作変えようと頑張るタイプの主人公が好感持てるかな。
ラファイエットと想いが通じ合うあたりからはまぁいいかな〜っとは思えたけど。