あらすじ
心温まる、奇跡の一杯を――。『銀のニーナ』イトカツによる、《紅茶》をめぐる人々の癒やしの珠玉オムニバス!レトロな紅茶専門の喫茶店「アーネスト」に訪れる人々はさまざま。ある人は会社をクビになり、またある人は夢破れ地元へ帰ろうとする…。そんなとき、とっておきの紅茶が、それぞれの悩みにそっと寄り添い、解きほぐします。読むだけで詳しくなれる、紅茶のマメ知識ももりだくさん。(監修・ムジカティー代表 堀江勇真)
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表紙に惹かれて購入しました
「紅茶って、こんなにも人の心を暖めてくれるんだ」と、静かに自然と笑みが溢れてくる、素敵な作品でした。
個人の感想に過ぎませんが、絵と話がお互いに合っていて、それ故に、しみじみと伝わってくるものがありました。
以前、珈琲を飲みに通った喫茶店で、台風で客が私独りの夕刻に、店主が自分が飲む紅茶に付き合わないかと声をかけてくれて、3種類の紅茶を飲ませてくださったことを思い出しました。
その喫茶店はもうありませんが、明日は何処かで紅茶の茶葉を買ってこようと思います。
上質な連作集
実は幼少時、紅茶の国のロンドンに住んでいたこともあり、紅茶はかなり好きです。
なのでこういう作品は身に沁みます。
鎌倉にある紅茶専門の喫茶店「アーネスト」を舞台に、色んなお客さん(常連もいれば一見さん等も)と店主のエミリーが紅茶を題材にした会話で自身の人生にちょっと前向きになれる、そういう作品です。
会社人生の別れ目だったり夢を諦めかけていたり等々、ちょっと世知辛いところから少しでも救われて進んでいければ、といったような良質な作品集でした。
あとがきによると代原なので、不定期掲載だったようです。