【感想・ネタバレ】考えるとはどういうことか(集英社インターナショナル)のレビュー

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Posted by ブクログ 2014年03月11日

人間の思考において大切なことー多面的な視点、経験、選択の見極めー納得しながら読み進めました。また、日本語の曖昧な表現方法から説いた民俗論も興味深いところ。海外文学が建築的表現に対し、日本の俳句、短歌は彫刻的表現という指摘も面白かったです。

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Posted by ブクログ 2019年06月30日

タイトルに惹かれて読んでみた。本は薄く、文章は易しいけれど、内容は色々考えさせられることが多かった。至って真面目に書かれていて、言いたいことがよく伝わる。各章のタイトルも著者の造語だが、内容を踏まえた適切な言葉で判りやすい。
自分の考え方を見直すヒントや事例が色々紹介されていて、勉強になった。

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Posted by ブクログ 2016年12月03日

 今回取り上げる著者は、「思考の整理学」、「忘却の整理学」などの著書を出している。考えることについていろいろな側面から取り上げている。考えることがないと頭の中身がふやけてねじが緩んで取れてしまうからなあ。


 触媒思考では、「知識と経験の化合が新しい価値を生む」として、経験を軽く見るのは良くないと...続きを読むしている。近代以前は経験を積むことが重要とされていたが、知識に重きを置いた社会になってしまった。著者は、知識と経験をつなぐ役割を思考力に求めている。


 選択の判断力では、「人はなぜよく考えずに選択するのか?」として、選択力について取り上げている。選択と言えば、今月の前半に話題になっていたアメリカ大統領選挙が浮かんでくる。どちらの候補者も欠点がありどちらがよりましかとうレベルの選挙になってしまった。よく考えて選んだ人もいれば、事実とは違う情報がネットやメディアであふれていて、その情報に知らず知らずのうちにマインドコントロールされて投票した人もいるだろう。これから4年間でどういう結果になるか見えてくるかな。


 ものを考えるという行為は、程度の差があっても何かしらあるものだ。今日のランチメニューから引っ越し、家や車を買うといったことまで。頭の中身と身体を鍛えて健康な状態にしておくのが一番だ。

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Posted by ブクログ 2012年06月25日

球面思考のすすめ、演劇やテレビニュースのように 1-3人称の世界から離れた観客型(第4人称)の提唱をしていて面白い。演劇を見に行きたくなる。そのほか 知識と思考(知恵)の相反することや、知識を知恵に昇華する触媒があることだとか 筆者の感ずるところをさらりと書きすすめている。 イギリスの全寮制教育のす...続きを読むばらしさと 日本語のあいまいさの美学に注目している点も面白い。

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Posted by ブクログ 2012年06月11日

知識と思考は反比例の関係。知識が増えるほど思考は弱体化し、知識の乏しいものは思考力をつよく発揮できる。
今やインターネットにより情報反乱している。つまり知識は簡単に手に入る。その結果我々の思考能力は弱体化してはいまいか?
私も本を110冊読む、と宣言して多読しているが、反省をさせられた。手に入れた知...続きを読む識は思考して使わないと。

物事は一つの側面からだけ見ていると間違う。たとえば「A rolling stone gathers no moss(転がる石は苔をつけない)」はアメリカとイギリスでは全く逆の意味になる。これを著者は第四人称的な立場から物事を見る事を提唱する。
ちなみにこの2つの別な意味をうまく活用して成功したのがロックバンドの「ローリングストーンズ」だ、という説明は膝を打った。

「知識と経験が新しい価値を生み出す」と著者は書いているが、私のブログが(恥ずかしながら)「知と経験のオープンエンド」。勉強してチャレンジして失敗するのが成長だと思っています。(しかし思考が足りません(笑)。

日本語の曖昧さがむしろ想像力を強くして俳句が生まれた。イギリスの詩人のワーズワースは逆に長い詩で表現をしている。この結果「日本人と日本語はわかりにくい文化」と解釈をされているらしいが、今は世界で俳句がブームになっている時代。
曖昧な表現(主語を省くとか)が分かりにくいが、日本人はそれを想像力で補って来た、いやむしろ想像力を高めたのだ。つまり高度なコミュニケーション力を持つ国民である。
考え、創造(想像)しよう。

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Posted by ブクログ 2012年05月14日

編集部の数人を相手に語った内容をまとめたらしい。
平易な語り口なので、読みやすい。
グローバル化(欧米化)バリバリ本とは一線を画した、生き方、物の見方の指南。
第4章曖昧の美学-日本語は悪魔の言語か
第5章民族論理学‐言葉の数だけ論理がある
は特に面白かった。

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Posted by ブクログ 2012年03月25日

20120325 二次的創造、日本のこれからのヒントになるのではないだろうか。考える事の楽しさ、繰り返し読みたい本。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月27日

さすが『思考の整理学』の外山滋比古先生、思索に耽る愉しさを再び想起させてくれる一冊。これが編集者を前に口頭でなされた”語りおろし”だというのだから驚き。恐らく活字になる段階で幾ばくかの編集は入ってはいるだろうけど、各章ごとにテーマにブレがなく示唆に富む言葉が並ぶ(若干、最終章は散漫になってる気がする...続きを読むけど)。ちょいと前に読んだ「下山の」なんとかより、よほどしっかりした内容。松岡正剛氏とはまた異なる切り口で、日本固有の文化や習慣にも、自信と誇りを持つよう訴えかける部分も力をもらえる。好著です。

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Posted by ブクログ 2012年02月26日

知識の重要性に偏りすぎの社会に、疑問を投げかける本。第一章の平面思考から球面思考への考え方は、面白い。情報に日々埋れて大変な人には、自らの思考法を再考するのに、参考になるのでは。

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Posted by ブクログ 2019年11月19日

 考えることには、目的思考と自由思考がある。目的思考は問題解決のために、自由思考は新しい発見や発明のために。考える時には、どちらかはっきり決めて考えてるわけではない。少し意識して考えるのもいいかもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年10月28日

【要約】
・外山版「考えるヒント」。書き下ろしではなく、話した内容を文章にした「語り下ろし」とでもいうべき体裁。

【ノート】
・外山さんの本は、前に読んだ「自分の頭で考える」でも感じた通り、読みやすい。読みやすいから、注意して読んでないと、そのままスルスルっと読み終わってしまって「あぁ、そうですか...続きを読む」という程度の読後感で終わってしまう。

・もちろん、本人がこの作品の中でも書いている(語っている)通り、難しそうな理屈をこねくり回せばよいってものではないけど。

・この本は「考えるとはどういうことか」ということについてではなく、外山さんの「考える」軌跡を幾つかのお題に沿って展開してみせる、というもので、その意味で、小林秀雄さんの「考えるヒント」に近いと感じた。

・「語り下ろし」という体裁については、本人があとがきで「考えそのものにより近い」と感想を述べている。

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Posted by ブクログ 2016年11月23日

触媒思考(インプットではなくアウトプット)
選択力(判断力)は日常の生活で困難を強いられてきたえるものだが、現代は選択をするうえで表面だけを見て決めてしまいがちなこと
日本人の曖昧さ
二次的創造、二次的活動(服を作る、という一次的創造から、デザインという形の創造へ)
などなど、この世の中の大きな流れ...続きを読むを著者の観点で描いた本。

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Posted by ブクログ 2015年05月29日

コンセプトは「思考の整理学」とほぼ同様。それよりも少し新しいので、若干の具体的な例が入っていたりする感じ。(触媒やセレンディピティや二次創作)

ただ「曖昧の美学」と「民族論理学」の章は面白かった。欧米文化と比較した、ハイコンテクストな文化ならではの、洗練された曖昧性の価値を見直すエッセイや、民族・...続きを読む言語それぞれの論理性などの切り口。

全体的にさらっと読める。

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Posted by ブクログ 2014年05月25日

社会全体が貧しかった時代、この国の人は、まず自分たちがよって立つ共同体そのものを作り上げなければならないことを皆が自覚していた。自分の不利益を脇に置いてでも国や地域など全体の公益を考えて有権者は投票をしていた。政治家も私財を擲って公益に没頭していた。ところが昨今は大くの有権者が私益を最優先し、政策も...続きを読むみることなく投票している。有権者の判断力が低くなれば、多数決の民主主義である以上、政治はバラマキに堕する。多数派の利益追求が国力を衰退させてしまっているのだ。多くの民主主義国家が経済的には窮地に陥っている。民主主義の欠点については有識者であれば誰もが気付いているはず。だけど見て見ぬふりをしている。そんな中にあって、一人本書は怖いものなしの直言を吐く。挟雑を排し純然たる論考を貫く著者なればこそである。

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Posted by ブクログ 2012年05月26日

良いキーワードがありました。「じっくり時間をかけて正しい選択をするためには、いったん判断を停止すべき」「一時的な感情による衝動的な判断は、合理性に欠けることが多い」仕事で研修にいってきたばかりの私なので、「その場その場でころころと変わるメンバの指摘にいちいち耳を傾けていたのでは、浅薄な判断しかできな...続きを読むい」と本書の言葉を置き換えてみて、熟考のために思考を停止する期間をつくろうと思います。

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