あらすじ
人間の目・耳・舌・鼻・皮膚は多くの情報収集と分析をしますが、時に騙されもします。これが「錯覚」という現象です。本書では視覚、味覚、嗅覚、聴覚、触覚の5種類の感覚器官の仕組みから錯覚を起こす原因、医療への活用など錯覚のメカニズムについて科学的にわかりやすく解説します。
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Posted by ブクログ
最近本を速く読もうとすると熟語を全く違う言葉として読み取るミスが頻発する事に気付く。脳が楽をしようと前後の文脈でそう見せるのか、しかし、すぐに文が繋がらない違和感を感じて読み直して気付くのだから、人間の脳とは面白いものだ。錯視的なイラストが好きで、そういうものは種明かしを知ってもいつまでも錯視を楽しめるのだから、これも面白い。しかし、一方では、人間の脳には物理的な限界があるという事かも知れないが。
本書は、錯視だけではなく、五感全ての知覚のメカニズムと錯覚を解説する内容。不注意性錯覚、
感動錯覚、パレイドリア、ラバーハンド錯覚のような同期刺激など、錯覚は多様にある。
ポンゾ錯視、フィック錯視、オッペル・クント錯視、ザンダー錯視、デルブーフ錯視、エビングハウス錯視、ジャストロー錯視、ツェルナー錯視などなど。概ね発見者の名前がつけられている。
他にも、カフェウォール錯視、チェッカーシャドウ錯視、シュレーダーの階段。イラストを見ているだけでも楽しいし、何なら趣味としても成立しそうである。教養と好奇心を両方満たしてくれるような本だった。