あらすじ
逃げたっていい。
いや、逃げなきゃいけないときもある。
そして、逃げればたいていのことは解決する。
精神科医で「逃げの達人」が教える
香山流“逃げ方のコツ”
バブル以降の閉塞感あふれる現代社会の闇から
逃げ遅れて心を病む人、自殺したりする人が後を絶たない。
こうした不幸をなくすためには、兎にも角にも逃げることだ。
人間関係だけにとどまらず、SNSなどで流される噂、
同調圧力、他者の目が気になるルッキズム、
現代人が直面するさまざまな「圧力」から
軽やかに逃げる生き方を提案する。
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Posted by ブクログ
久々に香山先生の著作を手に取り。タイトルが現代社会の息苦しさを表わしていますね。
…で。どうも文体が気になり。「かもしれない」「気がします」「思います」がすごく多く感じられました。うーん、それだと論としては弱い感じが…と思っていたらあとがきで語りおろしとあったので、しゃべりから文を起こしたためだったのだなとわかりました。
内容について。患者さんや教え子という身近な例をたくさん引いているのは分かりやすいと思いますが、結局そういう事例多いね、という羅列でそこからほんとうに「どう逃げるか」という主題に対する答えが、どうも世間話レベルのように私には感じられてならなかった。(すみません、わかりやすく簡単に、と考えられてのことなのかもですけど)
逃げられない、逃げてはいけないと思いこんでしまっていて、まずは逃げたっていいということに気づくことが大切だ、という指摘は本当にそのとおりと思うけれども…。何かから本気で逃げたい人にとってはあんまり参考にできないのではと私は感じました。
追い詰められたときの心の逃がし方というか、もう誰も頼れないと思ったときに自分をいっとき救う方法というか、私は少なくとも本書で自分の抱えている問題から逃げられるとは感じられなかった。
逃げ方指南というよりは最近の世の中の話題に関する読み物として楽しめるかなと思います。