あらすじ
逃げたっていい。
いや、逃げなきゃいけないときもある。
そして、逃げればたいていのことは解決する。
精神科医で「逃げの達人」が教える
香山流“逃げ方のコツ”
バブル以降の閉塞感あふれる現代社会の闇から
逃げ遅れて心を病む人、自殺したりする人が後を絶たない。
こうした不幸をなくすためには、兎にも角にも逃げることだ。
人間関係だけにとどまらず、SNSなどで流される噂、
同調圧力、他者の目が気になるルッキズム、
現代人が直面するさまざまな「圧力」から
軽やかに逃げる生き方を提案する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
仕事や家庭など辛い状況からときには逃げてもいいんだと言うことを教えてくれる、辛い状況にある人に対しエールを送ってくれる1冊。
ただし、職場のパワハラやセクハラなど、理不尽なもの、自分以外に辛いことの原因があるようなものについては、職場に状況を訴えるなど、反抗する姿勢も大事。自分の意見を持つこと、批判する姿勢を持つことの重要性も解いている。
Posted by ブクログ
私は今子育て中なので逃げられないけれど、趣味の世界には逃げられているかな。趣味の読書やガーデニングをしていると、心身の疲れが取れていくような気がする。香山リカさんの本を好きで読むのもいいと思う。逃げることはマイナスのイメージだけど、時々自分に許してあげて、好きなことをして現実逃避するのも、心身の休息にはいいなと思った。
Posted by ブクログ
タイトル的に逃げるのが良くないようにみえますが、納得できるところまでやって逃げるのは全然悪くないこと。
マルチタスクの世の中ですが、自分はなんとかしたいです。
Posted by ブクログ
全てわかってくれる彼氏が欲しいと思う女性は
精神的に問題がある。
女性を助けることで男性の尊厳が保たれるわけだから、
女性を救いたいと思っている男性もある意味病んでいる
という言葉が印象的だった。
Posted by ブクログ
久々に香山先生の著作を手に取り。タイトルが現代社会の息苦しさを表わしていますね。
…で。どうも文体が気になり。「かもしれない」「気がします」「思います」がすごく多く感じられました。うーん、それだと論としては弱い感じが…と思っていたらあとがきで語りおろしとあったので、しゃべりから文を起こしたためだったのだなとわかりました。
内容について。患者さんや教え子という身近な例をたくさん引いているのは分かりやすいと思いますが、結局そういう事例多いね、という羅列でそこからほんとうに「どう逃げるか」という主題に対する答えが、どうも世間話レベルのように私には感じられてならなかった。(すみません、わかりやすく簡単に、と考えられてのことなのかもですけど)
逃げられない、逃げてはいけないと思いこんでしまっていて、まずは逃げたっていいということに気づくことが大切だ、という指摘は本当にそのとおりと思うけれども…。何かから本気で逃げたい人にとってはあんまり参考にできないのではと私は感じました。
追い詰められたときの心の逃がし方というか、もう誰も頼れないと思ったときに自分をいっとき救う方法というか、私は少なくとも本書で自分の抱えている問題から逃げられるとは感じられなかった。
逃げ方指南というよりは最近の世の中の話題に関する読み物として楽しめるかなと思います。
Posted by ブクログ
人は本当に逃げられないのか?「逃げる」という言葉が「恥」を想起させてしまうが、そんなことないはずだ。
他人から「逃げていいんだよ」と言われることで、当人にとっては救いになることがある。
とかく現代は、頑張り過ぎな世の中だし、他人に対して攻撃的な社会だ。
確かに昔のパワハラなどと比べれば、多少は改善しているのかもしれない。
しかし、新たなツールであるSNSなどを通じて、見えない相手からの攻撃は、肉体的というよりも精神的なダメージの方が大きい気がする。
「目の前の敵」であれば、見えているだけに対処のしようがある。
相手が誰か分からずに、しかも24時間いつ攻撃されるか分からない状態では、精神的には相当に辛くなる。
やはり「逃げたっていいんだよ」と言いたくなる。
そんな辛い思いをして耐える必要はない。
著者は精神科医であるが、診断し「問題だ」と思えば、通常は2ヶ月間の休暇を推奨しているという。
これもすごく分かる。
結局1ヶ月間程度の休暇では、ゆっくり休んだことにならないということなのだ。
最初の1ヶ月間は、通常落ち着かないという。
仕事の事が気になってしまうし、チーム内で自分の抜けた穴を誰かがフォローしていると思うと、申し訳なく思ってしまうのも理解できる。
ついつい不安に感じて、メールなどを見てしまうということもあるらしい。
確かに、それでは休んだとは言えないだろう。
会社制度上の「休暇」と、「心を休める」とは全く違うのだ。
本当の意味で、身体を落ち着かせ、心を落ち着かせないと、休んだとは言えない。
それで1ヶ月経過して、ようやく2ヶ月目くらいになって、落ち着き出すのだという。
申し訳ない気持ちではなく、「自分が居なくても、何とかなっている」ということに気が付けばそれでいい。
決して存在が否定された訳ではない。
所詮、会社と言うのはそういうものなのだ。
結局誰かがフォローし合って、お互い様で何とかなるものなのである。
それこそ、もしどうにもならなくて、部門が大きな損害を被ったり、仕事そのものが無くなったとしても、それは休んだ人のせいではない。
部門を預かる上司の責任であるし、どこまで行ってもそれは会社の責任なのだ。
つまり心が病んで、それでも休まず、自分を犠牲にして働くことは本当に「無意味」なことなのである。
そもそも使いきれないほど有給休暇が余っているならば、それは普通に権利を行使すればいい。
大手を振って、逃げればいいのである。
現代の日本であっても、そんな単純なことが未だに出来ないでいる。
本当に経済大国で先進国なのか?とすら感じてしまう。
この時代にあって、今でもセクハラ、パワハラが存在し、ブラック企業が根絶されていないという状況はどういうことなのだろうか?
ブラック企業が、社員の犠牲によって生き延びているとしたら、そういう企業は市場から退出すべきだと思う。
従業員が健全に働いて、それで会社として利益が出せないのは、完全に経営者の責任なのだから。
もっと気軽に精神科医の先生に相談ができる状態になるべきだし、気軽に休んで心を落ち着かせることが出来るようになればいい。
そうして結果、今までよりも生産性が上がればいいと思う。
嫌な気持ちで、鬱々と仕事していて、能率が良い訳がない。
「逃げたっていいんだよ」という言葉を自分自身が持っているだけで、ほんの少し気が楽になるのではないだろうか。
やはり心と身体の健康が、人生で一番大切なのである。
(2023/8/13日)
Posted by ブクログ
なんかいろいろストレスに感じることがあって家族の問題が中心なのではあるけど連鎖して自分の仕事のキャリアプランを考えたりする中で問題から逃げちゃいけない、無責任に放ってはいけないとか思っていたらえらく窮屈に頑張っている状況に感じてきてしまいそんな中で出会った本 。精神科医の香山リカ氏の著書はたぶん初めて読むが、メディアに出演していたときのイメージとはちょっとキラキラしてないかな(かなり個人の独断と偏見だと思うけど)という印象だった。
「逃げたっていい」という表現を「いかにストレスフリーに生きるか」と置き換えると、逃げる罪悪感を取り払うということに重きを置きすぎるノイズを除去して、著者が言いたい本質に近いのかもしれないと感じた。仕事の転職、年を取ってきたときに頑張らない人生の過ごし方(例えば二拠点生活とか、自分に変化を与える趣味や仕事とか)など。年齢層での生まれ育った価値観や背景を否定して変えましょうというよりも肯定した上でアップデートしようという表現が合いそうな感じ。いくつか自分でも考えたことがあったので確かにそうだなぁと思うことがいろいろあり、いかにストレスから逃げるかについてアイデアを再認識させてもらえる本だった。
著者に強く共感したのが、最近の若い人は・・・というと老害な物言いだけど、自分の意見を持ち、これが好きだ!ということを大事にする。また、自分で決めて行動することが大事。失敗したとしても成長するために逃げない方がよいと思うのは逃げずに戦うべきだというところ。特に行動という点ではあきらかに頭の中で考えて終わらせてしまう人が多く、実行を他者に委任してしまう人が多いと感じることを指摘している点だ。それから自分を蔑ろにされているのに「まぁいいか」と思ってしまうのはやめよう、という指摘ににはハッとさせられた。けっこう言い返した後の相手の出方を想像したりして心理的安全性が低下したり、かなり面倒なことになるので「まぁいいか」、といった心理的なコストと効果を考えてしまってそのままにしまいやすいと自覚していたのだが、やはりそれはよくないなと強く感じた。アサーティブコミュニケーションとかアンガーマネージメントとかツールはいろいろあると思うが、うまく活用しながらストレス減らしたいものだと思う。