あらすじ
日本の水が奪われる!
AIデータセンター、半導体工場…日本各地でも急増するこれらの施設で膨大な水が消費されている。
水資源の支配者が国家から企業へ移ることで生まれる、新たな不均衡や地政学的緊張――新しい「水の戦争」が始まっているのだ。
私たちの生活と無関係ではないその現状をリポート。
目次
激化する水を巡る争い
◎AIデータセンターに半導体工場 テック企業が水を飲み干す
◎2020年に先物取引が開始 投資対象となった水
◎軍事攻撃、サイバー攻撃 標的にされる水インフラ
◎アジア、中東、アフリカ・ナイル 繰り広げられてきた水争奪戦
◎企業vs.自治体住民 地下水や灌漑用水をめぐる見えない綱引き
◎外資に買われる日本の土地 目的は安定した水資源の確保
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
データセンターや半導体工場が使う「水」という視点から、世界の状況と日本の環境を改めて考えるきっかけになった一冊でした。
国内でデータセンターが増えているというニュースは見かけていましたが、そこで使われる水の量や、世界での水資源の偏りについては知らないことばかりで、大変勉強になりました。日本で暮らしていると、水を「資源」として意識する場面がほとんどなく、降った水の多くを国内で使えるという環境がどれほど特別なのか、素直に驚きました。
国際河川では上流の国が強い影響力を持つ構造や、例外的な地域の話も興味深く、世界では水が緊張の火種になり得ることを実感。さらに、データセンターの冷却に大量の水が必要で、その使用量を減らす技術は別のエネルギーを求めるという、なんとも複雑な状況にも考えさせられました。
便利さや技術の進歩を享受しながらも、不安が残る読後感。生活の中でできることは小さいけれど、まずは「水の価値」を意識するところから始めたいと思わせてくれる内容でした。
Posted by ブクログ
日本で暮らしていると水の地政学的リスクということに意識が向かなかった。
そもそも国際河川についても、言われてみるとそうか国をまたいで流れる河川があれば騒乱が起きるなと気づかされる。
それに加えて、気候変動の影響で降雨の状況が変わってきて、干ばつや洪水が起きやすい中だとさらに争いが起きやすくなる。
更には水の使い方が変わってきて、これまでの生活用水や農業用水産着用水にに加えて、新たな産業用途として半導体製造やデータセンターの利用が爆発的に増えている。
それでもその地域での利用できる水量には限りがあるのだから、企業誘致の振興とのバランスは難しいところだ。
涵養について企業が積極的になっているとは知らなかった。
今は昔に比べると個人の社会についての考え・参加が強くなってきている中で、企業としても知らぬ存ぜぬでは済ませられないだろう。
それにしても水の金融商品化だとか新しい知識・考え方を提示してくれたいい作品でした。
新書らしい新書作品で楽しい読書でした。
Posted by ブクログ
人類の進歩によって灌漑が始まり、水をめぐる争いが過激化している。もともと水は誰のものでもない公共財であるから個人や民間の企業の間で争いが常態化している事態は見逃せない。これからの時代はAIの台頭により水をもつ持たれるの関係がより複雑になっていくと予想できる。そこでこれから重要になっていくのは水の保持、支配と共有、分配のバランスをこれから上手く調整していくことである。