あらすじ
仕組み化がうまくいかない会社は順序を間違えている!
管理ルールやマニュアル化よりも前にやるべき
社員のやる気を引き出し、成長させる仕組みのつくりかた。
仕組みと聞いて思い浮かぶのは、おそらくビジネスモデルや、人を動かすための管理、マニュアルなどだと思います。特に、仕事の属人化を防ぎ、効率化・合理化を推進する管理の仕組みは、いかにも即効性がありそうです。
しかし実は、いきなりそこに飛びつくことが、仕組み化に挫折する原因なのです。
経営の仕組みは、大きく3つに分解できます。
●作業の仕組み=管理、効率化、標準化
●事業の仕組み=ビジネスモデル
●成長の仕組み=ビジョン、経営計画、人事評価
小さな会社がまずつくらねばならないのは、成長の仕組みです。
ビジョン、経営計画、人事評価は、会社がどこへ向かい、どうやって到達し、社員が何者になれるかという筋道です。会社と個人の成長プロセスを見える化したものであり、経営の仕組み全体の土台といえます。
とはいえ、ビジョンや経営計画で組織が劇的に変革できるなんて、いまいちピンとこない人も多いでしょう。でも、こう考えてみてください。
成長の仕組みは、あなたのためにあるのではありません。
社員のためにあるのです。
「何のために働くのか」「どうすれば成長できるのか」を、社員は求めています。これがないのに管理のルールやノルマ、マニュアルばかりを導入すると、社員は成長欲求を満たされず、虚しく数字を追いかけ、やらされ感が漂い、形骸化していきます。
一般的に仕組みは、感情を横に置いて合理化を追求する、無機質なイメージがあると思いますが、まったく逆です。
人のやる気を落とさず、自己実現や自己成長という幸福に向かうものなのです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
会社が抱える人員数の10人の壁、30人の壁で、前者を超えている企業は全体の25%ほどだと。
まさに保育が今その過渡期で、全社の後ろ盾がなければ1回潰れてるのでまじで危機感感じました。
船を作りたければ山賊に海の広さを唱えよ、みたいな感じで、そもそも仕組み(管理)ありきの体制が間違っているのが前提。
聞き飽きたと言われたとしても何度も繰り返して目的やビジョンを唱えることが大切。
それを怠り、結果の利益で物事を捉える経営者が多いことが問題。
また別軸で、組織に置いて血の入れ替えありきの展望は不可能。
『小さな会社』はそもそも人を取るのにも莫大な苦労がかかるので、とにかく中にベクトルを向けて向き合うべし。
Posted by ブクログ
仕組み化のノウハウではなく、その前段階としてのビジョン共有の必要性、共有できているプレイヤーを増やしてマネージャー(社長)としての時間を増やすこと。個人事業主の延長にある集団から経営者のいる組織への移行。
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中小企業兼中小企業がクライアントの業界への転職活動中にたまたま読んだら著者が同じ職種だったという幸運。
面接先の社長が30分くらい語ってくれたビジョンに共感しかなく、これまでの経験と自分の能力、仕事に対するスタンスが間違いじゃなかったと思わせてもらった。
面接後すぐにこの本を読んだためあまりのリンク具合に驚き、会社への信頼度が高まった一冊。不思議な経験をした。たまにはビジネス本もいい。
Posted by ブクログ
小さな会社の社長に向けられた本だったが、その一部の役割を担う社員視点でもためになる本だった。経営をエキスパート・レバレッジで二分し、それぞれに合う手法が紹介されていた。仕組み化と言うと作業効率を上げるためのものが想起されるが、その手前に成長と事業自体の仕組み化をやり切る必要があるというのは腑に落ちた。成長の仕組みはあくまでも社員のためのもの。その利は成長した社員から業務を通して会社に還元されるので、最終的には会社のためになる。が、順番は社員のための方が先。小手先の合理化の手前に、血の通ったモチベーション向上の仕組みを作り込む必要がある。見えなかったり、ブレブレのゴールに人はついてこない。