あらすじ
「稚拙でも、独りよがりでも、矛盾していても、これが私の現在地です」。
アイドル活動を経て、ソロタレントとして活躍の場を広げる長濱ねるが、2020年から雑誌『ダ・ヴィンチ』にて3年にわたって連載をしてきたエッセイから21編を自ら厳選。日常の出来事や、親友や家族、大切な人たちとのエピソード、時には悩み事まで。いったりきたり考えながら、それでも歩みを止めずに進んできた日々を誠実に綴った、自身初のエッセイ集。
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ねるちゃんが西加奈子さんの言葉をお守りにしているように、私も迷うときねるちゃんに尋ねてみたいと思いました。
『かっこ悪いエッセイ』
誕生日のくだり、非常に共感できた。自分もお祝いメッセージ送るマメなタイプじゃないし、どちらかというと忘れちゃう癖に、0:00にあまり誰からも来ないと少し寂しくなる。普段は意地張るくらい一人が好きなのに、こういう時には誰かを求めてしまうのは都合がいい話。
『島の母』
「しんどいのはあなただけじゃない」この言葉をかけられることって辛いよね。皆色んな場所で辛くてしんどくて、それは分かっているけれど、自分が戦っていることをその人に認めて欲しいからしんどさを見せることもあるよね。認められたらそれで合ってるよって頑張り続けられる気がして。でも「あなただけじゃない」と言われたら、一蹴されているような。私は「あなただから」話したのに。
『ずらしたい事件』
これ、分かるんだよな。ワールドカップとかWBCとか何となく苦手だから一緒。なぜ苦手かについて紐解くことをして来なかったから、自分なりに考えてみたけど、ねるちゃんと同じ考えになった。
この話を母にしたら驚かれたから、やはりずらしたい人は少数派らしい。私はきっと自己愛が強いほうだし、心のどこかで皆私と同じなんじゃないのと思っているので、驚かれたことにさえ驚いた自分がいた。
大学の講義の選択についても、私は皆と必ず違うほうを選んでいた。私はそれを今まで1人好きで完結させていたが、ずらしたいだけだったのではないか。それと同時に、その発言によって誰かのことを傷つけていたのではないか。初めて気づかされたこと、一人でも他の人と一緒でもいいところで、私は一人を選びがちだ。
世の中と足並みをずらしたい自分と向き合いつつ~変な自我との折り合いのつけ方を探っていきたい。この考えが本当に素敵だと思った。
はじめにのところで自分に似ているところが多かったため、手に取ってみた。私も未だに自分の性格を説明できずに来た、それはきっと挙げていく特徴に沢山の矛盾が見つかってしまうから。単独行動は大好きだけど変なところで寂しくなる、遠慮がちなところがありながら、変なところで自我を出してしまう、など...予想通り共感できるところが沢山あった。
ねるちゃんのエッセイは暗くなってしまうみたいだけど、自己開示しつつ内面にしっかり向き合っているのが素敵だと思う。人間って奥底は皆暗いものなんじゃないかな?って勝手に思っている。というか私はそういう人間が好きだから。私にとって「たゆたう」は沢山共感できることが多すぎた。
長濱ねるさん、私の中のモヤモヤを言語化してくれて、変な自我を持ってるのはあなただけじゃないよって、『たゆたう」を通じて寄り添ってくれた気がして勝手に救われました!
私も変な自我と向き合い、たゆたいつつも頑張ろうと思えた。
ねるちゃんのことが大好きになりました!
Posted by ブクログ
アイドルの本なんてと思って読んだら大間違いの1冊。
文才があるとかないとかはわからない。内容が濃いとか薄いとか、そういうことではなく、ここまで自分の心のうちをそのまま文章にできる事にとても驚きだった。一切誇張がなく、これが本当に長濱ねるの心の中で性格なんだと信じることができ、テレビの世界の人間でも、友達と遊べば落ち着くし楽しいし、年相応の悩みもたくさんあるんだと知ると、とても親近感が湧くし、何よりとても安心する。
たとえエッセイだとしても、ここまで率直に書く事はできるのだろうか。純粋すぎる。Z世代の人達にはとても共感できる事が多数だと思う。この時代の若者ならば、一度読んでも損はない一冊です。