あらすじ
吉丸事務機株式会社で働く優紀。断れない性格で、いわゆる中間管理職のポストを任される。適任だとは到底思えない。頼りない上司、嚙み合わない部下、何か言いたげな同期。小さな会社で起こる人間関係のもつれや行き違いが優紀を悩ませる。状況を改善しようと奔走するが――。「走れ、中間管理職」ほか全六篇を収録。会社勤めはなんだかせつない。その気持ちに寄り添う「働く」を描いた連作短編集。
※本作品は2018年5月に小社より単行本刊行された『仕事は2番』を文庫化に際し改題し、加筆修正をしたものです。
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Posted by ブクログ
今のタイミングで読めて良かったです。
今、会社に行けていない中で読み始めて、読書をする力もなかったのですが、この本は私の心に自然と物語が入ってきて読みやすかったです。
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いろんな人の視点から仕事や家族を語ったお話。
エールはいらないが1番自分の状況に近くて面白かった。ママさん社員のフォローに対するモヤモヤした気持ち。それを口にできない息苦しさ。それでも仕事には行かなくちゃいけないんだよなぁ。
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一つの会社のいろんな人を主人公とした、短編集。
個人的にはすごく共感できるというシーンはなかったものの、こういう人いるんだろうなというのは、ところどころで感じる。
女性同士のやっかみ等、全体的にやや企業体質が古めの会社が舞台となっているように感じたが、一方で未だこういう会社は多いのかな?とも思った。
総じて、面白い作品でした。
Posted by ブクログ
ある会社で働いている人々がもつ人間関係に対しての不満や悩みを複数の登場人物の視点で書かれている短編集です。
タイトル的にもう少し鬱に感じる内容かと思っていましたが、読後感は思っていたよりスッキリとしたものでした。
会社の人との付き合いって難しいなぁと日々感じている私には共感する内容も多々あり面白かったです。
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会社って行くのはすごく嫌だけど、自分の存在を受け入れてくれる一つの居場所のようなもの。
そんなことを考えさせてくれた。
一つの会社の中の人それぞれの視点で仕事のことを描くお話。
この人はこういうことを考えてたからこんなことをしたのね、この人はこういう過去があったのか、など読んでいくとなるほどね、とわかることがたくさん出てきてすごくおもしろかった。
Posted by ブクログ
わたしほんとうにこざわたまこさんのタイトル回収が好きなんだよね…最初はなんでこのタイトルにしたんだろう??って疑問に思うんだけど、読み終わってタイトル見たらめちゃめちゃしっくりくる。
1番好きなお話はエールはいらない。
詳細な感想は↓に書きました。
どのお話もそれぞれ刺さるところがあって勉強になったし、自分を振り返るきっかけになった。
Twitter(X)でこざわたまこさんがラジオでのお話をもとに本の名前、明日も会社にいかなくちゃに関しての呟きをしていたけれど、それぞれのお話を読み終わってから考えると、あーあ、明日も会社にいかなくちゃ↓と末尾が下がる主人公が多い気がする。。みんなそれぞれ幸せになってくれー!!
*走れ、中間管理職
タイトルで予想してたのはドタバタお仕事コメディ、みたいなイメージだったんだけど、走れってそれかー!と納得。
走った先どうなったのかが気になるお話だった。
あんなに仲良くしていたかおりに掌を返されてイラッとしたんだけども、ミスを誤ってかおりのせいにしてしまったことも事実なのでもだもだした。
かおりがほんとうはどう思っていたのかも気になる。
*スポットライト
前の話の走れ、中間管理職で走った優紀が退職となってしまって悲しかった。
お酒に弱く、すぐ記憶をなくしてしまったり、何回もハラスメント発言をしてしまったりとヒヤヒヤする場面が多かった。がんばってくれウッチー!
酔って披露できなかった、頑張って練習したダンスを奥さんに見てもらえてよかったねと思った。
お話の序盤だと家族仲が冷めているような描写に感じたから奥さんの手を握った時、ダンスを披露した時、そっけない態度をとられるんじゃないかとヒヤヒヤしたけれどそんなことなくて安心した。よかったねウッチー!
*エールはいらない
この話はわたしの心にぶすぶす刺さって痛かった…
最近わたしは過去の自分の行動や言動が返ってくることが多くて、仁美もまた過去の自分によって周りの協力が得づらい、周りの不満が溜まっている状態になっていてすごくすごく刺さった。
お話の最後のほうで周りのひとたちが仁美への不満を爆発させたシーン、沙也もそのまま加担してしまうのかと自分のことのようにドキドキしていたら仁美を助けてくれたのでほっとした。ありがとう。。
*親子の条件
この話は読み終わってからタイトルをもう一度見て、どれを指すのだろうと考えさせられるお話でした。
親子の条件…お父さんと主人公は酒癖の悪さが似ているから、それが親子の条件ってことかなあ
それともおむつ替えを見られても構わないほど気を許していることが親子の条件かな?これはみなさんの感想を楽しみにしたい
*輪になって踊ろう
見たかったかおり視点のお話で夢中で読んだ。
当たり前だけど、優紀が勘違いしたとは思っておらず、裏切られたと思っているのが悲しい。。
そこで話し合おうと思わずお休みに入るところは、かおりが今までも人間関係で問題があれば避けてきたことが想像でき、相手の事情や視点を考えられないところがあまり人間関係?を経験していないことが想像できる描写にも感じられてこちらも悲しく思いながら読んだ。
わたしも輪に入るのが苦手な人間なので、かおりの過去のお話はたいへん共感しながら読みました。
次で最後のお話。みんなどうなるんだろう。。
*最後の日
最後のお話だから、前の話のどれかの主人公が出てきてハッピーエンドに向かっていくのかな?と思っていたから予想外で面白かった。
ずっと気にしていた優紀が出てきたり、もやもやしていた岸のお話のその後が出てきたりして、前のお話も含めて楽しめた。
残り数ページ、というところで幸雄と栄太の縁が切れかかってしまってハラハラさせられたけれど、締めかたが未来のある文に感じたのでほっとした。
Posted by ブクログ
プックオフでの購入本
どれだけ嫌なことがあっても
どれだけ憂鬱でも
明日仕事だったなら
あぁ、明日も仕事に行かなくちゃ
そう思う
会社勤め、というか働いている人ならどれかのストーリーの一つくらい共感できそうです
誰もが自分なりに仕事を頑張っているだけです
気持ちよく仕事をしたいですね
Posted by ブクログ
とある会社で働く人達のそれぞれの仕事模様の話。ひとつひとつの話が、ちょっとだけいい方向に向かったように終わるけど、別になにもかもが好転しているわけではないところがよかった。
優紀の優しさがかおりにはなにひとつ届いていなかったところや、内野が酔いつぶれてダンスを披露できないまま終わり、その後も人間性が特に変わっていないところ、ママさん社員に悩まされる沙也、自身の酒癖の悪さで粗相をしまくる岸、幼少期から輪に入ることが苦手だったかおり、ひきこもりだった栄太など、それぞれの苦しさがあってよかった。それらが簡単に解決するわけでもないところもよかった。人間そう簡単に変われないよなと思った。
キャラクターとしては沙也が好き。一番共感ができた。タイトルが示す通り、どれだけ嫌なことがあっても、明日も会社にいかなくちゃ、なんだよなあ……と思った。
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悪者がいない悲しい物語が多かった。六篇全部が繋がっており、それぞれの想い、他の人からの登場人物の見え方などを見ると、さらにこの物語がわかってきて辛くなる。どの物語も努力して良くなっていくのだが、大事なところで選択肢を間違えてしまって振出しより戻ってしまう。しかし、最後や違う篇で登場し違う姿や前に進む姿を書き出してくれるのは、自分の人生にも辛いことがあっても光がさしてくれるのではないかと思わせてくれる。
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読んでてしんどくなります。仕事でしんどい状況にいるときは全然読み進められませんでした。みんな等しく苦しい。寄り添ってくれるような感じはありますが元気にはなりませんでした。
Posted by ブクログ
働くことを描いた短編集でそれぞれ繋がりがある。人間関係のもつれや仕事の悩み、葛藤、モヤモヤしたものを浮き彫りにしている。全体的に前向きというよりはせつない感じが印象に残る。