あらすじ
夫の転勤で向日葵町に引っ越してきた八山友里は、慣れない育児に四苦八苦していた。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ町の公民館で、凄腕の元保育士“寝かしつけのお園”と出会う。この町では、クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いていた。サイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好……?どんなに小さな特技でも、きっと誰かの役に立てる。公民館を舞台にした、癒やしとぬくもりの物語。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
寝かしつけのお園さん、1町に1人ほしいな。こんな素敵な人たちが集う公民館、楽しすぎる。
ペラペラの紙でもたくさん集まれば橋になる、という狙いはとても良く、それがうまく軌道にのっているこの町は羨ましい限りだが、目玉となる超有能スタッフがいることが強い。人柄もいい。
現実にやろうとすると、なかなかそこまでの人はおらず、イマイチ話の通じない、下手したら扱いづらい人材しか集まらず、若者に敬遠されてしまう可能性すらある…。
Posted by ブクログ
柊サナカさんのほっこり癒しの物語ですね。
連作短編の四話です。
初夏のある日、八山友里は、泣き続ける腕の中にいる五ヶ月の息子の蒼を抱えて、とほうにくれていた。
友里は二十八歳、夫の転勤で、流川市、向日葵町に越してきたばかりだ。
友里は、泣き止まない蒼を抱えて、救いを求めてふらふらと公民館に入っていった。
公民館の自動ドアが開くと、受付の人が、にこにこしながら「ーーーは、二階ですよ」と言って階段を指す。
階段を上がると、会議室の戸口から、ヒョイと顔を出したおじいさんがいる。
「お園さん、お客だぜ」
「まあまあ、元気な赤ちゃんねえ」と、優しそうなおばあさんが出てきた。
おばあさんは、さあ、と腕を広げた。
こうして、友里と『ひまわり公民館よろず相談所』との出会いが始まる。
クセのある特技を持つ老人たちが集まって、よろず相談所を開いている。
友里を初め、このよろず相談所にやってくる人びとと、相談員の心温まる物語。
目次
プロローグ
第一話 励まし屋竜太郎の、
秘密のモーニングコール
第二話 サイキック後藤の華麗なる舞台
第三話 マナー講師舟木と悩める淑女
第四話 オオカミ少女と犬校長
エピローグ
「よろず相談所」にやってくる、お客さんをなんとか救おうと、謎解きを含めて、それぞれの特技を駆使して人助けに挑む相談員たち。なぜか、友里と蒼も巻き込んでのユーモアストーリーに、すっきりと楽しみました(=^ェ^=)
Posted by ブクログ
夫の転勤でとある町に引っ越してきた友里はある公民館でクセのある特技を持つ老人たちが集まって開くよろず相談所に出会う。小さな特技を武器に人助けに挑む住民たちを描いた癒やしとぬくもりの物語。どの話もほっこり温かくて続きが読みたくなりました。
Posted by ブクログ
難しい話は今読みたく無い、って時に良いと思いました。公民館を舞台に色々な特技(?)の持ち主が、身の回りの困ったを解決していく話。もちろんシビアなネタもあるのですが、読んでホッとする短編集でした。
Posted by ブクログ
お悩みがよろず相談所で次々に解決されていく短編形式のお話で読みやすく、面白かったです。
お悩みの内容が結構ヘビーでしたが…
こんな相談所あったら、私もちょこちょこ行っちゃうだろうなぁd(˙꒳˙* )
Posted by ブクログ
柊サナカさんの作品で、他にも読んでみようと手にしたのがこの作品です。まぁまぁ面白く、あまり重くない作品なので、息抜き的に読めたかなと思います。
主人公は、ひまわり町に越してきたばかりの28歳友里、生後5ヶ月の息子蒼くんが泣き止まず日々の育児に疲弊していた。偶然立ち寄ったのが「ひまわり公民館よろず相談所」…保育士歴50年、寝かしつけのお園が魔法のように蒼くんを泣き止ませ寝かせてくれる…。落としの源さんをはじめ、様々な技術と特技を持った高齢者が相談員として所属し、悩める依頼者からの相談に応じている場所があった…。友里自身も救われるだけでなく、力になりたいと相談員とともに奮闘していく…。
泣けるというよりは、元気になる感じでした。友里の伯父さんで田中五郎さんという超個性的な人がいて、それもまた面白かったですね!高齢者が自らの力や特技を活かせる場所があることは、とってもいいことですよね!あまり現実的ではない内容もあったけれど、こういう場所が地域に増えていくといいなって思います。
Posted by ブクログ
公民館のよろず相談所。
さまざまな特技を登録した老齢の相談員が住民たちのトラブルに対応する。
保育士歴50年の寝かしつけのお園、犬の躾のプロ犬校長竹田、元マジシャンのサイキック後藤など、相談員は個性豊か!
ここに偶然ワンオペ育児でボロボロになった友里がたどり着く。
相談員に助けてもらうと思いきや、相談員と一緒になってトラブル解決に巻き込まれていく。
こういうところに溶け込める友里が羨ましい!
私はその場限りになってしまうだろうけど、名前を覚えてもらい、自分から輪に入っていき、受け入れてもらえるのは素晴らしい才能。
少し年上の人とお話するのは楽しくていいよね。
Posted by ブクログ
作中で出てくる寝かしつけのお園さんが言う
「自分の当り前は、人の当り前じゃないわ。
どんな特技でも、立派に人のためになるのよ。
素晴らしいことよ」って言葉、ほんとに
当たり前だけどすごく心に残りました。
その当り前が他人にとってこれほど役に立つ
ってことが作品の中で描かれていて、
あぁ~自分でも人の役に立つことが
あるかもしれないと少し勇気をくれる作品
でした。なかなか個性の強いクセ有特技をもつ
面々が繰り広げられる話は全体的にうまく
行き過ぎてちょっと強引な展開もあったけど
最終的には大団円で楽しく読めました。
作中にふわっと出てくる主人公友里のおじさん
である田中五郎の今後や旦那さんなんかも
出てきていなかったのでもう少し続きが
読みたかったかも。色んな事件が起こるけど
全体的にほのぼのとした作品でした。