あらすじ
古代日本。火鍛冶(ほかじ)の匠を父に持つ少女、沙耶は、
父のような火鍛冶になるのが夢だった。
しかし里には、女は鉄を鍛えてはならないという掟があった。
そこで男と偽り、父が病で逝った後も鍛冶を続けていた沙耶だが、
そんな彼女に意外な依頼が。
それは麗しの王子の成人の祝いに、剣を鍛えてほしいというもの。
沙耶は夢中で鍛えるが、その剣は恐ろしい魔剣へと変貌し……。
少女の夢と挫折、そして冒険を描いた傑作和風ファンタジー!
【登場人物】
■沙耶(さや)……天才的な鍛冶の才能を持つ少女。男と偽って鍛冶の匠を目指す。
■阿古矢王子(あこやおうじ)……伊佐穂の国の第一王子。驚くほどに美しい。
■加津稚王子(かづちおうじ)……第二王子。武に秀でた、茶目っ気のある青年。
■護足(ごたり)……武人。沙耶のもとを、剣の製作を依頼しに訪れる。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
女の子なのに 男のふりをして 山の奥で鍛冶屋をやる。お父さんは亡くなってしまった。
なんか こんな話し 読んだことがあるなあ!
と思っても ついつい一気読みしてしまいました。
王子の剣に宿った暗い闇の思い
それが王子を別人のように変えてしまう。
それを倒す剣を打ってくれ!
それは 自分が女だと認め 神様からも認められないといけない。
やっと打ったその剣を持って王宮に行くと
邪悪なけんに心を吸い取られた王子は 実は女だった。
剣を打つ人も剣を持つ王子も ありのままの自分を認めないと 邪悪な剣から逃げられない。
女でいい ありのままの自分でいい
この思いが 邪悪な剣を倒す。
面白かったですね!
パチパチパチ!
Posted by ブクログ
弱った体に染み渡る、滋味豊かな和風ファンタジー。手頃なボリュームに、素直に応援できるひたむきな性格の主人公、とかなりストレスフリーに読める。
女に生まれなければ良かったのに、という主人公の苦しみは割と普遍性があって、でも女であること自体が問題ではないんだって自分自身との和解が神パワーで成されるのが、若者向けの作品として良かった。
Posted by ブクログ
一気読みしてしまった。
最後の方飛ばし読みしてしまったが、
なかなかどうして。
読ませますな。
女人禁制の鍛治の家系に生まれてしまった女の子。
どうしても鍛冶師になりたくて、月のものが始まるまでという約束で、
鍛冶師になるべく、父親に仕込まれる。
いつまで経っても月のものがあらわれず、
鍛治の神様に願いが通じたのかと思っていた。
でも…その歪みは思いもよらない形で現れて。
その歪みを正すという物語。
なんにせよ、最後はハッピーエンドで終わって良かった。
Posted by ブクログ
鍛冶を仕事にする父に息子はいない。沙耶は女でありながら鍛冶を仕事にしたい。一族の掟を破って鍛冶を続けられるのか。「女」が枷になることに嫌気がさしてしまう。
魔剣が出来てしまうのはちょっと困るけどね
Posted by ブクログ
「おれは沙耶だ。ただそれだけだ」
男であること、女であること。
それに囚われず自分自身であることを忘れずに生きる。
とても難しくて、でも当たり前であるはずの生き方。
そんなふうに生きられたら、素敵ですよね!
Posted by ブクログ
女性は穢れているから(もしくは鍛冶の神は女性なので嫉妬されるので)鍛冶の仕事はできない。
民俗学のお約束な禁忌ですね。そこを逆手にして、作品を作りあげているのは良かったと思うのですが。
中途半端なとりかえばや状態にもう少し突っ込みを入れてもよかったのかなと個人的には思いました。
ですが、楽しんで読ませていただきました。
Posted by ブクログ
設定は面白いけど、物語は可もなく不可もなくといった感じ。
全体的にキャラクターも台詞もテンプレっぽくて、面白みに欠ける気がして残念だった。
あと、これは個人的に、沙耶が剣を持って戦うのはなんか違う気がした。そこは鍛冶屋に徹して欲しかった。
Posted by ブクログ
二本の剣による頂上決戦までが意外に早かったら、その後が長かった印象。
何故女である沙耶が作った剣が魔剣となったのか。
作り手と持ち主に親和性の高い共通点と、それでいて決定的に違う点が浮き彫りになったのが面白かった。
古代の日本は女性の方が神がかっていたのだろうなと妙な説得力があった。
説得力と言えば、女が鍛治をしてはいけない、神が許さないという掟に対してのある意味力技で答えを出したシーンもなかなか。
あの存在を前にしたら、確かに人が作った掟など塵芥ものだろう。
そのシーンもインパクトがあった。
印象的なシーンは多い一方で、文章は淡白な感じ。
すぱすぱ読めた。