あらすじ
サッカー監督の本音と実像に迫る傑作ノンフィクション
Jリーグで鎬を削る「傷だらけの名将たち」の生き様と采配の舞台裏を描く
サッカー監督の「決断」と「采配」をテーマにしたノンフィクション短編集。Jリーグを中心に指揮をとる9人の監督に取材を重ね、その生き様と采配の舞台裏を描く。
成功と失敗が紙一重のサッカーにおいて、ずっと結果を残し続ける監督は過去にも現在にも、おそらく未来にも存在しない。どんなに有能な監督も必ず敗れさるときがくる。選手の起用、戦術の決定、チームマネジメント……様々な局面で問われる監督の決断で揺れ動く勝敗の機微。
歴戦の指揮官は自らの采配とその結果をどのように受け止めて生きているのか?
どんなに叩かれても、クビになっても、また修羅場に足を踏み入れるのはなぜなのか?
カタールW杯でも話題になったように、監督の采配はチームの勝敗のみならず、関係する多くの人の人生も左右する。そのような重責を一身に背負う指揮官の決断の舞台裏には、実にドラマティックで不条理な物語が存在している。
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Posted by ブクログ
Jリーグを支える9人の日本人監督たちのノンフィクション本。
監督という職業へのイメージは、自分の理想のサッカーやチームとして求められている戦術を落とし込み、試合に勝つ。そのために練習。練習や試合で選手が最大限ポテンシャルを発揮できる様に練習も工夫し、良い雰囲気を作り、試合でもそれを体現する。モチベーションの部分も、組織運営のマネジメントの部分も担う重責のある仕事という「ざっくり」としたイメージ。
そんな仕事してるんだから、ものすごい人たちなんだろうなぁと思っていたのだが、この作品を読んで印象がガラリと変わった。
彼らもまた「1人の人間」なんだと。
中継で見ている時、テクニカルエリアやインタビューで見る姿で伝わるものもあるが、それを言葉で補強され、より1人の人間としての輪郭が現れた感覚。
情もあるし、感情もある。悩みもあれば後悔もある。嬉しかったら喜ぶし、悔しかったら涙もながす。
それぞれにその人らしさはあるので、サッカーやチームへの関わり方や考え方は異なるけど、みなそれぞれが魅力的。
特に印象的だったのは、ファジアーノ岡山の木山監督の章「かくしてロックは鳴りやまず」、ブラウブリッツ秋田の吉田監督の章「寡黙は金」。それぞれの監督から発せられる言葉は刺さるものが多く、生き方が表れていた。そしてなんといっても章のタイトルが秀逸。
応援しているチーム以外のチームにもアンテナを伸ばすことでよりサッカーが好きになり、自分の応援するチームへの愛情も深まる気がした一冊でした。
Posted by ブクログ
別のチームを応援しているがずっと気になる存在だったトリニータ。とても面白いサッカーをするのでいつも情報を漁っていてひぐらしひなつさんの記事を目にすることが多かった。それから何度か現地でも応援した。それぞれの監督が語っている試合も記憶にあるので裏でこんなことがあったのかと読み込んでしまった。
Posted by ブクログ
これは何というのか、とても味わい深い。
「傷だらけの名称」というサブタイトル通り、サッカー監督達の苦悩とブレイクスルー。
こんなにうまくいかなさも、ままならなさにも溢れたスポーツ本は無いな。
Posted by ブクログ
「サッカーのことに詳しくない人でも」と表紙にあったので、本当に全く分からないながらも読んでみた。出てくるチームや監督はもちろん、選手も用語もほとんど分からないながらも、プロサッカーの世界の過酷さとその中で勝つためにチームを作っていく監督の凄みを体感できる本だった。オリンピックに出てる選手って本当にトップオブトップの選手なんだなぁ。
Posted by ブクログ
Jリーグで、結果を出し、チームを勝たせてきた9人の名物監督たち。
その采配やチームを築いてきた手腕、そしてチームを去る時の思い。
表面に出てくるものだけでは分からないことがこの一冊にはつまっています。
Jリーグ好きならたまらない本。
忙しい年度末に、夢中で読んだ1冊です。