あらすじ
陰キャ男子・二宮の悩みは
1軍女子・荻野目さんとの
放課後の委員会。
もっと仲良くなるため
共通の話題を探したりと
奮闘した結果、
少しずつ距離が縮まって
ゲームの対戦に誘うことに。
不器用男子の
ひかえめキュンなラブコメディ、
結末はいかに!?
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
第1巻段階では、二宮と荻野目が図書室で会話するだけだから関係性の発展に少々難度が存在した。けれど、ここに図書室以外での繋がり、一緒にゲームをする行為や荻野目の兄が絡んでくる事で二人の関係に変化の芽が生まれたね
その最たるものが9話での荻野目の選択かな
先に約束していたとは言え、二宮がどこまで本気で荻野目とゲームをしたかったかは判らない。また、気の知れた友人との遊びの方が失敗は少ない
けれど彼女は二宮とのゲームを優先した。ここで彼女のモノローグが初めて描かれたように、このシーンは本作において結構な転機と思えたよ
もう一つの転機はなおやの乱入かな
良い意味でゲームガチ勢で二宮のような感性を幾らか持ち合わせる彼は荻野目との関係を発展させる潤滑油と成り得る存在だね
初めての荻野目家訪問で、更には彼女の部屋に入ってしまうなんて高難易度な展開が有ったのに、なおやとゲームする事でその訪問を楽しいものと出来たのだから
順調に発展しそうな二宮と荻野目の関係。それだけに夏休み突入や委員の入れ替えによって図書室での放課後時間が終わるというのは足元が崩れるかのような話
その認識を共有した際の二人の沈黙が痛ましいね。これまでは荻野目が話題を提供し、二宮がそれを深堀りして返す事で二人の間の空気感は醸成されていった
けれど、関係が終わる虞を前にして相手の内心を誤解した二人の沈黙は会話を生じさせないものとなる
と、王道的擦れ違い展開の雰囲気で荻野目も物思いに耽っていたのに、二宮が告白へと暴走を開始したのは意外性が有りすぎましたよ!
ここで気になるのは荻野目の心情かな…。告白を受けた際に「やっぱりかー」と返した彼女はそれでも呼び出しのメッセージを受けた際に表情が明るくなった。けど、実際の返答は決めかねていた
それは最終話で彼女が説明したように、二宮が荻野目の好みのタイプから思いっきり外れていたからだね
彼女は自分の中にあるモヤモヤに納得行く解釈を与えられないから一人で悩んでもしかしたら二宮が嫌な気分になるかもしれない返しをしてしまった。そこには彼女がこの会話の入口に迷っていたのだと見えてくるね
だからこそ、そんなモヤモヤに対して二宮が普段の会話の如く深堀りした返しをして彼女が納得を得る展開は良い意味でいつも通りさを感じられましたよ
それこそ二宮も荻野目も相手を好きになった理由だろうから、二人が会話によって落ち着くべき所に落ち着く展開は納得感が高いね
図書室を出て二人でこれから歩む道を会話する、そのような放課後時間をこれからも過ごしていくのだろうと容易に想像できる気持ちの良いラストでしたよ